盗賊-フーケ-part2/盗人の守護者
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男の役目とも言うけど…」
『なんでお前が危ない役をやってんだよ…あいつらから志願してきたってのに。ま、同情しとくよ』
「同化している時点で、お前も他人事じゃねえんだぞ…」
とりあえず廃屋の中を窓から覗き込んでみた。中は暗かったが、誰もいなかった。蜘蛛の巣だらけで窓ガラスはひび割れ、中にあるテーブルには埃だらけの酒瓶が残っている。
サイトの目が、無意識のうちからかギラギラと光った。透視能力…ウルトラマンが人間の姿の際に使う超能力だ。これは自分以外の超常的なものを見極めることができる。だがいくら凝視してみても、やはり暗闇の奥にも人がいる様子はない。
「誰もいないぞ!」
手を振って合図を送るとルイズたちが駆けつけてくる。タバサが念のためディテクトマジックで調べても、魔法を使った罠はないらしい。彼女から先に入り、続いてサイト、キュルケと侵入する。
「鍵すらかかってないじゃない」
キュルケは不思議そうに言った。ルイズは「外を見てる」と言い残して、入り口付近で待機した。小屋の中はひどく埃っぽくなっていた。手分けして三人は破壊の杖を探す。すると、タバサは一つ気になる箇所を発見した。一枚、布に被せられている何か直方体の物体がある。さらに気になるのは、その布はほとんど埃被っていない。つまり誰かがこの布を動かした形跡があるということ。彼女はそれをまくると、予想した通り目的のモノを見つけた。
タバサはそれをサイトとキュルケに見せた。それはなんと、フーケに盗まれたはずの『破壊の杖』だった。
「あっけないわねぇー。まあいいわ。フーケが来る前にはやく出ましょ」
拍子抜けたようにキュルケはため息を着いた。が、サイトは破壊の杖の箱を見たとき目を細めた。
「なあタバサ。俺に見せてくれないか?」
不思議に思いながらも、タバサはサイトに『破壊の杖』の箱を渡した。
それを見た瞬間、彼は驚愕せざるを得なかった。なぜなら、その箱にはサイトに見覚えのあるシンボルマークが書かれていたのだ。
「どうしたの?」
タバサは興味深そうにサイトを見た。
「これ…は…!!!」
『なんだよサイト?お前それに見覚えがあるのか?』
一部始終を見ていたゼロも気になったのか彼に声をかけてきた。
『嘘…だろ…この破壊の杖ってのは…!!』
一方で草陰からサイトたちを見やるロングビルことフーケ。彼女の狙いは、まずは小屋の中におびき寄せる。そして次に…。
「クリエイト・ゴーレム…」
彼女の周囲の土が風にあおられるように舞い上がると、見る見るうちに大きな足が、胴体が、そして両腕が出来上がった。自慢のトライアングルクラスのゴーレムの完成だった。
完成したゴーレムは、ずっしりとした足取りでサイトたちのいる廃屋へ歩き出した。
この時、誰も知らなかった。地下
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