盗賊-フーケ-part2/盗人の守護者
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はと思って逃げるのを拒否したり…。誇り高いのは嫌いじゃない。でも、だからって無茶をしていいとは思えない。だからサイトは言った。
「無理すんなよ。俺も戦えるんだから、無茶な分は俺も背負う」
急に真剣な男の顔で自分を頼れと告げたサイト。逆にルイズもその時のサイトが光って見えてしまい、朱色に染めた顔を隠すようにそっぽを向く。
「な、何よ急に…あ、当たり前でしょ?あんたは私の使い魔なんだから!」
すると、ここでキュルケが面白くなく感じてサイトにわざとらしく抱きついてきた。
「ダーリン、ルイズばかりじゃなくて私も守ってよ〜。ここなんだか暗くても怖いもの〜」
「あ、あんまりくっつくなよ!っていうか、全然怖がってないだろ!」
じゃれる二人とは反対方向を向いていたルイズのこのときの顔は、なんともまあすぐにでも爆発を起こしたい衝動に駆られた恐ろしい顔になっていた。
(その舐めた真似をさせてくれた状況を作ったのは、まぎれもなくあんたたち貴族共じゃないか。私腹を肥やしてばっかの癖に自分たちのこと棚に上げやがって…私だって好きでこんな稼業やってるわけじゃないんだよ!)
しかし一方で、先ほどのルイズの言い分に、ロングビルことフーケは内心でこう思っていた。ちなみに破壊の使い方がわからなくて苦労しているイライラと、キュルケのいらない詮索をされたイライラによって、苛立ち数割増しと言った様子だ。
しばらくすると、一行は開けた場所に出てきた。森の中の空地。そして向こうに見える廃屋。誰かがここで暮らしていた跡なのだろうか。
「到着しましたわ。ここでフーケを見たと言う話です」
ロングビルが馬車を止めると、サイトたちは一斉に馬車から降りる。
「私は怪しいところがないか偵察に行きます。他にどんな危険があるかわかりませんので」
そう言うと、彼女は森の茂みの中へ姿を消した。
「お一人で大丈夫かしら。ミス・ロングビル」
「気にしなくていいと思うわ。彼女も魔法はかなり使えるみたいだし。それより人の心配より自分の心配したら?」
「とにかく、作戦を立てようぜ。まずはあの廃屋に偵察を…」
偵察の派遣を提案したサイトだが、タバサがそれについて案を出した。
「その偵察役が廃屋の中にフーケの姿を見つけたら、挑発しおびき出し、魔法を使わせないうちに一気に叩く。だから偵察には…すばしっこいのが適任」
すばしっこいの。それを聞いてルイズたち三人は一斉に、サイトの方に注目した。
「…あなたが適任」
この空気、まるで拒否権を剥奪されたような展開にサイトは目を丸くする。確かに、一番早く動けるのは自分以外ほかに見当たらない。なんか納得のいく流れじゃないのが気になるが、仕方なくサイトはまずキュルケからもらった剣を握って廃屋に向かう。
「そりゃ、女の子を危ない目に合わせないのが
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