盗賊-フーケ-part2/盗人の守護者
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かったじゃないんですか?」
ルイズがそう言うと、気にしないでとロングビルは彼女に言う。
「フーケの情報を集めた私が案内した方がよいかと思いましたので…それに私は貴族の名を無くした身ですから」
その表情は、どこか寂しげなものだった。だからそれ以上は聞くべきじゃないと思ったのだが、キュルケが大いに興味を示した。
「興味あるわ。お聞かせ下さいません?」
「よしなさいよこの恥知らず!」
トリステインでは聞かれたくないことを、いやトリステインに限らない。聞かれたくないような内容を大した理由もなく聞き出すことはいいことではない。だからルイズがキュルケに注意を入れる。
「いいじゃない!おしゃべりしたいんだから。ったく…何が悲しくて泥棒退治なんか…」
キュルケは現場に行くまでの退屈しのぎを潰されてため息をつくと、嫌味ったらしく呟く。
「何言ってんのよ、自分から志願しておいて」
「だから言ったでしょう?あなた一人じゃサイトが危ないもの。いくらギーシュを圧倒したからって、あんな大きなゴーレム相手じゃどうなるかわかったものじゃないもの。
そしてあなたはサイトを戦わせて高みの見物に違いないし」
「だ、誰が逃げるもんですか!私の魔法でフーケなんかやっつけてやるわよ!」
「魔法?誰が?笑わせないで」
「おい、ケンカすんなよ」
『ったく…めんどくさい奴らだぜ』
またしてもいらない火花を散らす二人。サイトは間に入ってとりなした。サイトの中のゼロもまた、サイトの目を通してこの一部始終を見て呆れていた。
「…今更なんだけど、ルイズ」
「何?」
ふと、サイトがルイズに言葉をかけてきた。
「あのフーケって奴は相当強いメイジなんだろ?太刀打ちできないのにどうして?」
地球にいた頃、地球防衛軍はみっちりとした武装を保有しているから、自分たち以上に力の優れた怪獣や星人と戦えたことをサイトは知っている。だが、ルイズはどうだろう。彼女には悪いが正直戦力的に心配ばかり残る。
「オールド・オスマンがおっしゃられていたけど、これは魔法学院の問題なの。私たちの手でフーケを捕まえることに意味があるの。それに貴族に舐めた真似したフーケを許せない。あいつが元々どんな貴族でメイジだったか知らないけど、私たち貴族の誇りを見せつけなきゃ」
ある漫画の単語で言えば、まさに今のルイズは黄金の精神の持ち主、というものかもしれない。だから昨日の夜のルイズが眩しく想えたのだろう。そうだな、戦う覚悟がなくちゃ、たとえどんなにすごい武器や力を持っていても意味がない。
でも、あのルイズのことだ。無茶をしでかすのではと思った。その節はこれまで見てきたり話を聞いたりで覚えている。罰で牢屋行きになる覚悟で男子生徒からシエスタを助けたり、崩れ落ちたモット伯爵の屋敷の瓦礫に埋もれているので
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