盗賊-フーケ-part2/盗人の守護者
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人じゃ、無理やり危険なところに立たされたダーリンが危ないじゃない」
ルイズは同行を拒否するが、逆にキュルケも反論した。すると、タバサまでも身の丈ほどの杖を掲げだした。志願するつもりだろうか。
「タバサ、あなたはいいのよ?こんなバカなことに付き合わなくても」
「心配だから」
「タバサ、ありがとう!」
それを聞いてキュルケはタバサに抱きつく。ルイズも口には出してないが、彼女の気遣いに素直に嬉しく思った。
「私は反対です!生徒を危険にさらすなど…」
シュヴルーズは反発した。まだこんな子ども達に、無慈悲な盗賊の相手など危険すぎる。
「ならば君がいくかね?」
「それは…私は体調がすぐれないので…」
オスマンの言葉に彼女は何も言わなくなった。
「彼女たちならやってくれるかもしれん。それにミス・タバサは『シュヴァリエ』の称号を持っている。王室から与えられる爵位としては最下級の称号だが、その若さで得られたのならば彼女の実力は確かなものじゃ」
「そうだったの!?」
驚きの事実にキュルケの質問にタバサはコクッと頷いた。
王室から与えられる爵位シュヴァリエ。その称号は最下級だが、タバサのわずか15歳という年齢でそれをいただいたことは驚くべきもの。それにこの称号は男爵・子爵といった称号とは違って実力を認められた証でもある。
「ミス・ツェルプストーはゲルマニアの優秀な軍人を輩出した家系の出、そしてミス・ヴァリエールはミスタ・グラモンを圧倒した使い魔を召喚した。彼の実力を持ってすれば、フーケに遅れを取るまい」
キュルケは鼻が高そうにしていたが、ルイズは自分ではなく正確には使い魔であるサイトが誉められたのが少し不満だった。自分が褒められる番だと誇らしげに胸を張った自分が恥ずかしい。
「そうですぞ!!なんたって彼は伝説のガンダー…もが!」
(内密にしろと言ったじゃろ!)
オスマンは、思わずあることを口走りかけたコルベールの口を慌てて押さえ黙らせた。
「で、では諸君の義務に期待する。決して死なぬように」
「「「杖にかけて!」」」
張り切って高らかに唱和する三人。サイトは大丈夫だろうかと不安になる。一方で、ロングビルことフーケは完全に策が成功に向かっていることに満足げな笑みを浮かべたのだった。
さて、フーケの思惑通りサイト・ルイズ・キュルケ・タバサの四名はロングビルが手綱を引く馬車に乗ってフーケの潜伏先と思われる森へ向かった。今日サイトは結局ルイズとキュルケの二人から貰った剣を二本とも持参している。もちろんこの判断に二人は目くじらを立てたが、サイトが「折れてしまった時の予備」という理由を付けたことで、渋々ながらも納得してもらった。
「ミス・ロングビル。オールド・オスマンの秘書であるあなたが手綱なんて。付き人に頼めばよ
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