盗賊-フーケ-part2/盗人の守護者
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。だからゼロの言い分に、怒りを覚えた。
『お前だってあの貴族連中と変わらねえよ!!今のルイズを笑う資格なんかないだろ!!決闘を挑んできたギーシュや、俺と初めて会ったその日のルイズみたいにひどすぎるだろ!』
『なんだと…!!』
言われようにゼロは憤りを覚えるが、それ以上にサイトの声がだんだんと震えていく。ゼロの逆切れの気迫をものともしない。
『力だけで勝ち進んで、ただ戦い続けて…何の意味があるんだよ…力を誇示し続けて、ルイズみたいにただ立派な姿を見せるためだけに危険を冒すことに、どんな意味があるんだよ…』
次の言葉を言った時、もうテレパシーではなかった。ルイズたちにも聞こえる、いつもの肉声で彼は言った。
「そんなの…何の意味もねえ、血を吐きながら続けるだけの悲しいマラソンじゃないか…」
――――血を吐きながら続けるだけの、悲しいマラソン…。
ゼロは、その一言を聞いて何も言えなくなっていた。テレパシーではなく声に出ていた言葉だったので、キュルケもタバサも、泣き続けていたルイズもその言葉をしっかりと聞いていた。
「KIEAAAAAAAAA!!」
だが、今は泣き出しているルイズに付き合える状況ではなかった。タバサの作り出した霧の中でツインテールが金切声をあげている。司会の見えない霧の中を窮屈に思い、右往左往しながら霧の中をかいくぐっている。いつこっちに脅威がまた迫るかわからない。
っと思ったその矢先だった。ツインテールが霧の中をかいくぐってもうこちらに迫ってきていたのだ。
「くそ!しんみりさせろよ!」
悪態をつくサイトは、とっさにキュルケからもらった黄金の剣を抜く。左手のルーンが光って、さらにゼロとの同化による肉体強化で身体能力は向上。彼は上に飛び上がって、ツインテールの眉間に剣を突き刺そうとする。しかし、剣は突き刺さるどころかツインテールの体表に全く歯が立たすあっさりとへし折れた。
「お、折れたぁ!!?」
思わず某竜騎士の名を持つ仮面の特撮ヒーローのごとく悲鳴を上げたサイト。ゼロの言っていた通り、ただのなまくらだったらしい。いや、本物の剣でも怪獣が相手では傷を入れること自体怪しいが、それでも少しは期待させてほしいのが本音だった。
「ゲルマニアの業物じゃなかったの!?あの武器屋、いつか詐欺で訴えてやるわ!!」
これを見て不服を露わにしたキュルケ。せっかくサイトに送った剣がなまくらだったとは。しかし色仕掛けで値段をまけさせたキュルケもキュルケだが…ここは置いておこう。
まずい、ツインテールがサイトに迫ってきている。ここは変身するべきかと思った時だった。突如出現したゴーレムが、サイトを助けに入るためなのか、ツインテールに向かって突進したのだ。
「ご、ゴーレムがなんで!?」
さっきまで襲ってきたは
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