盗賊-フーケ-part2/盗人の守護者
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、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールが!」
「いい加減にしなさいルイズ!!」
流石のキュルケも、微熱どころか烈火のごとく怒った。だが宿敵の家出身という理由からか、貴族のプライドも混じってルイズはキュルケの話を聞こうとしない。
「うるさいうるさい!敵に背中を見せないのが貴族なのよ!!」
言葉には出さなかったが、キュルケどころかあのタバサでさえこの勝手な言い分に不快感を感じた。眼鏡の奥にある青い瞳に、怒りの炎が燃え上がっている。
その時だった。
バシン!!
サイトが、ルイズの頬を叩いた。呆気にとられるルイズ。そして怒っていたキュルケとタバサも怒りの炎を無意識のうちに鎮火させて驚いていた。
「貴族がどうした!!結局死んじまったら、お終いだ!!何の意味もないだろうがこの馬鹿!!!」
「…だって」
叩かれた頬を押さえ、俯くルイズ。彼女の声が、震えていく。
「いつも…いつも……みんなから馬鹿にされて………悔しくて………逃げたらまた馬鹿にされるじゃない!!」
顔を上げたときの彼女の鳶色の瞳からは、大粒の悔し涙が流れ落ちていた。そうか、ルイズはこんな極限的な危険にまで自分を追い詰めてしまっていたのだ。いつも無能という意味でゼロゼロと馬鹿にされ続けて…。気が強くてプライドばかりが無駄に高い生意気娘…でも、実際はこんな戦いが苦手で大嫌いなただの女の子だった。一回り小さな子供のようにも見えた。
キュルケは、ルイズがこうなってしまった一端が自分にあると思い始めていた。自分もルイズをゼロと馬鹿にし続けてきた一人。まさかルイズが、あんな自殺行為同然の行動をとるなんて思いもしなかった。ルイズがやたら馬鹿にされ続けたことがどんなに彼女にとって悔しかったのか、軽い気持ちでからかってきたせいで理解もしなかった自分をやっと恥ずかしく思った。
一方で、さっきのルイズをゼロは真っ向から非難した。正直ルイズはゼロから見てみればただの雑魚同然の小娘。フーケから見ても同様だと思う。力の差なんか一目瞭然だったのに自ら捜索隊に名乗り出た彼女をただの馬鹿と決めつけていた。
『…馬鹿な奴だぜ。大した力もないのに、無謀なガキだ。あの怪獣に潰されておしまいになっちまうところだったってのに』
『…』
サイトは、ゼロに対して我慢ならずに言い返した。
『ゼロ、お前そんなに力が第一なのか?』
『あ?』
『そんなに、敵を確実に倒すためだけの力が偉いのか!?その先も、その先もただ戦いに勝って勝って勝って勝ち続けて、目の前で助けられる命を無視して、ただ力を誇示して偉ぶってれば満足なのかよ!』
同胞の先輩たちさえ人間の道具に成り下がった奴らと罵倒したゼロ。サイトは、これまで地球を守ってきてくれたウルトラマンたちを尊敬してきた。これからもそれは変わらない
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