遭遇-コンタクト-part2/もう一人の巨人
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はすぐさま踵を返し、扉を出て悲鳴の元へと急行した。
「ち、ちょっとサイト待ちなさい!」
「ダーリン待って!」
「貴様!逃げるのか!!待て!」
ルイズとキュルケ、タバサ…そしてサイトに復讐しようとする伯爵は彼を追って行った。
その頃、風呂場ではあともう少しのところでグロテスクアニメ顔負けの惨事が起ころうとしていた。たった一枚しかなかったタオルを体に巻いて裸体を隠したシエスタが、風呂桶に風呂の湯を入れると、その湯を飛ばして何かを追い払おうとしている。
「来ないで!来ないでください!」
バシャバシャとお湯をかけられた相手は、モット伯爵に仕えているばあやだった。シエスタがなぜ老婆相手にここまで恐れおののいているのか。理由は、やはりばあやの右腕がすでに異形のモノとなっていたことと、それに伴って彼女の様子がまるで血に飢えた獣のように豹変していたことに他ならない。何センチも爪が伸びきっていて皮膚のない筋肉の膨れ上がった腕。これを化け物と思わずして何と呼べばいいのかもわからない。
ただひたすらシエスタは水をかけ、化け物となったばあやを追い払おうとする。時に洗面器を投げつけて反撃を謀ろうともした。しかしたかがかけ水ごときに怯むはずもなくばあやは涎を垂らしながらシエスタに迫ろうとしている。さらにシエスタによってばあやに向けて投げつけられた洗面器はあっさり避けられてしまい、風呂の窓ガラスをバリィイイン!!!とかち割ってしまう。シエスタは風呂場の端へと下がって一秒でも長く生き延びようとするも、いつまでも逃げ切れるはずもなかった。
「べろべろ舐めたい…」
「ひ…!」
「血を…肉をくれえ…寄越せえええええええええ!!」
「きゃああああああああああ!!」
ばあやはもはや人間を捨てていた。とびかかってきた途端、シエスタは身をかがめ、目を閉じて頭を覆った。ああ、自分は伯爵に体を汚されるどころか、ここで殺されてしまうのか。最後に浮かんだのは、王都で働く従妹と叔父、故郷であるタルブ村の家族、そして…。
(サイトさん…!!)
だが、その時だった。シエスタに向かってばあやに向かって青白い光弾が直撃、怪物化したばあやは小さな爆発音を立てて跡形もなく消滅した。
「…え?」
シエスタは前をタオルで隠しながらも恐る恐る立ち上がる。あのばあやはどこへ行ってしまったのだろう。
(…きっと、サイトさんが助けてくれたのね)
さっきサイトが自分を連れ帰るために伯爵相手に交渉しにきたためか、彼女は勝手にサイトに助けられたのだと思い込んでいた。ともあれ、早くここから上がろう。すぐに脱衣所に上がったシエスタだったが、そこで思わぬアクシデントが起こる。
「シエスタ!!」「へ!?」
脱衣所に向かおうとしたところで、サイトたちが風呂場に現れてしまったのだ。彼
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