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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
遭遇-コンタクト-part2/もう一人の巨人
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爵にはもっと言ってやりたいのだが、それだと目的がずれてしまう。自分たちはこの男の風上にも置けない奴と言い争うに来たのではないのだから。
「これで、シエスタを返してもらえるんですよね」
 彼が書物を受け取った以上、これで取引は成立だ。約束はいつ果たされるのかと、サイトは問いかける。だが、当の伯爵は、すっとぼけた返事を返してきた。
「ん?なんの話だ?」
bこれにはもう我慢ならない。サイト怒りで赤く染めて伯爵に怒鳴った。
「オイ!話が違うぞ!その本を持ってくれば、帰してくれるって言ってただろーが!!」
「平民ごときと交わした口約束など知らんな。第一、そんな口をきいてよいのか?貴様の大事な主人にも、迷惑がかかるのだぞ?今日のことは不問にしてやると言っておるのだ。ありがたく思え!最近、どういうわけかわが家のメイドが不足気味でな。一人であろうが手放すわけにはかんのだよ」
「て、てめえ…!ふざけやがって…!!」
 不法侵入を盾に約束を破るつもりのようだ。それに何が手放すわけにはいかないだ。自分たちの勝手な我儘のために一人の少女の意思をどこまでも無視すると言うのか。しかも、達成率0%に近い条件を突き付け、それを奇跡的に達しても返さないなんて、どこまでこいつは腐っているんだ。サイトの目には、憤怒の炎が渦を巻いている。今すぐにでも、殴りかかってしまいそうな勢いだ。
ブチっと血管を膨れさせ、唇をかみしめるサイト。
「サイト、帰りましょう。あんたはよくや…」
「ぐぼ!!?」
 ルイズが、シエスタを取り戻せなかった彼の心情を察知しつつも、どうしようもない現実を認めてもらおうと優しく声をかけた途端、サイトはついに怒って伯爵を思い切り殴り飛ばした。殴られた伯爵は、椅子から転げ落ち、口と鼻から血を流している。
「だ、ダーリン!いくらなんでもやりすぎよ!」
 こうなるともうサイトの死罪は確定。トリステインの法律で定まっているわけではないだろうが、平民を格下に見るトリステイン貴族の大半からすれば万死に値する行為として見られていた。
「貴様…平民の分際でよくもこの私の顔に傷を!!」
「うっせえ!!貴族以前に人として当たり前のことを平気で踏みにじったてめえに、人間を名乗る資格なんざねえ!!」
 サイトは伯爵を指さして、堂々と言い放った。
「な…!!」
 確かにサイトの怒りもいい分も間違ってない。だが、それが権力持ちで自分たちこそが正しいと思い込む伯爵のような貴族相手にはただの暴言にしか聞こえないのだ。
「この私が獣と同然というのか!この平民め!!もう我慢ならん!兵士!こやつらを全員ひっ捕らえて…」
 しかし、その時だった。
「きゃあああああああああああああ!!!!」
 女の子の、悲鳴が聞こえてきた。今の声に聞き覚えがある。
「シエスタ!」
 サイト
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