遭遇-コンタクト-part2/もう一人の巨人
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だがルイズは乗るのを拒否した。そうだ、使い魔を見捨てることなんてできない。見捨てたらその時点でご主人様失格だ。…というのもあるが、根は優しくもあるルイズはサイトのことを個人的にも無視できなかった。何とか助けたい。でも、あの巨大ネズミの怪物がいるのでは不可能に近い。
このまま地上に留まっては危険だ、やむを得ずキュルケはレビテーションの魔法でルイズはシルフィードの背中に乗せると、それを見計らってタバサはシルフィードにはばたくように命じ、シルフィードは夜空へ飛び立つ。
間一髪、ルイズたちに触手を叩きつけようとしたノスフェルの一撃が、ルイズがついさっきまでたっていた場所の地面をひっくり返した。
その時、伯爵家の瓦礫から光があふれ出した。あまりに眩しくてルイズたちは思わず目を伏せる。
「待たせたな!!」
その光の正体は、この世界のヒーローになりつつあった、遥か彼方の宇宙より現れた戦士、テクターギア・ゼロだった。瓦礫で姿が見えなくなったところで、ゼロがほぼ強制的に表に出てきて変身したのだ。地面の土をひっくり返しながらズシンと着地。我ながら力強くかっこいい登場シーンができたとゼロは自負していた。
「よ、鎧のウルトラマン!!来てくれたのね!!」
キュルケが歓喜に満ちた声を上げる。しかしルイズはゼロの姿を見て目を細める。
「で、でも…なんか変じゃない?」
そう、何かがおかしい。見るからに何かがおかしいのだ。キュルケもそれに気が付いてあれ?と声を漏らした。
「…小さい」
そう、本来40〜50メイルを誇るはずのゼロの体が、たったの5メイル程度のサイズになっていたのだ。
「へへ…ってあれ!!?小っさ!!なんでこんな中途半端なサイズに…!?ってうお!?びっくりした…!!」
タバサの一言で、自分の体が本来のサイズから見るからに小さくなっていることに気が付いたゼロ自身も激しく動揺していた。しかも眼前にシルフィードの顔が映ったので思わずびっくりしてしまう、どうも自分の意思ではないらしい。というかもし自分の意思によるものだったら愚か極まりない。なんたってノスフェルのサイズは50メイル近くもあるのだから、そんな巨体相手に小型サイズで戦えるわけがない。
「そうかサイト!てめえが俺と一緒に戦うことを拒否しているせいだ!!」
ゼロは八つ当たり気味な口調で言い放つが、実際彼の言う通りだった。サイトとゼロ、同じ体を共有するウルトラ戦士と人間が完全な状態で戦うには、エネルギーを十分に保有していることの他に、互いの心を一つにする、または同じ目的意識を強く持つことも重要だった。だが、悪いことに二人の心はキャッチボールを交わせるだけのものじゃなかった。
『街壊しといて…あまつさえ子供の命を知ったことじゃねえなんてほざく奴と、誰が一
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