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手のなる方へ
5部分:第五章
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「わかったわ」
 こんな話をしていた。話をしているとここで。神主が今までめいめいお喋りに興じていた女の子達に対して声をかけたのであった。
「おおい、皆」
「あっ、呼んでるね」
「じゃあいよいよね」
「ちょっと来てくれるか」
 こう女の子達に声をかけるのであった。
「今からはじめるからな」
「今からなのね」
「そうみたいね」
 恭子と須美も顔を見合わせて言い合うのだった。待ちかねたといった感じだった。
「それで何するのかしら」
「お饅頭出るだけじゃないの?」
 話が饅頭に関することに戻った。食い意地はどうしても頭から離れない。
「それを食べて。それで」
「解散?」
「じゃないかしら」
 ぼんやりとした感じで考えながら恭子に述べる須美であった。
「よくわからないけれど」
「それだけだったらお饅頭それぞれの家に配るんじゃないかしら」
 須美も少しぼんやりとした感じで考えながら述べた。
「それか皆を集めて」
「だから皆集めたんじゃないの?」
 また恭子が言ってきた。
「ここに」
「だからなのね」
「そうじゃないかしら」
 しかしこうは言っても確信はない恭子であった。それでも物理の宿題に関するそれよりはまだ確信は深いものであるとは言えた。一応であるが。
「やっぱり」
「何か本当に何があるのかわからないのね」
「だって誰も知らないし」
 このこともまた話される。
「それも全然ね」
「そうよね。何なのかしら」
「ささ、それではじゃ」
 しかしここでまた神主が皆に声をかけてきたのだった。恭子も須美もそれを聞いて話を中断してその神主に顔を向けるのだった。
「中に入ってくれ」
「住職さんのお家にですよね」
「その通りじゃ」
 優しい笑顔で皆に答えた。
「ちゃんとお茶とお菓子も用意してあるぞ」
「お菓子もですか」
「うむ」
 その優しい笑顔で頷いてもみせる。
「用意しておるぞ。ささ、それではじゃ」
「はい」
「今行きます」
 こうして女の子達は神主の言葉に従って彼の家の中に入る。当然ながらその中には恭子と須美の二人もいた。皆は玄関から入って老化を進み奥の部屋に案内された。そこは広い畳と障子の部屋だった。他には何もないがらんとした感じの部屋であった。
「ここ?」
「そうみたいね」
「おっと、済まん」
 神主は皆を部屋に案内したところで皆に言うのだった。

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