暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第1章:修正の始まり
第6話「真実」
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ながらのた打ち回るように苦しんでいた。

「任せろ!」

  束の洗脳を解いた時の感覚は一応覚えている。...確か....。

「こう!....だったはず。」

「桜さん!!?」

  お、覚えてると言ってもあの時も感覚だけでやったし...。

     ―――カッ!

「ほ、ほら...。」

「...これからは曖昧な感じでやらないでください。」

  ....反省してます...。いや、でも使い方知らないし...。

「...と言うか、これだけでいいんですか?」

「...束の時も同じだったさ。洗脳に抵抗もしていたみたいだし、後は目を覚ますのを待つだけだな。」

  そういえば、地味にこの能力の使い方は知らないんだよな。





「....う....ん....?」

  しばらくして、マドカちゃんが目覚める。

「こ..こは....?」

「マドカ...目が覚めた?」

  再度膝枕をしていた秋十君がマドカちゃんを心配してそう言う。

「あっ、秋兄!?」

  膝枕された体勢から驚きの声を上げるマドカちゃん。...この様子だと洗脳はちゃんと解けたか?

「わ、わたっ、私....!.....はふぅ....。」

「....洗脳は、解けたんだな...。」

  慌てたように声を上げた直後、気の抜けた声を上げるマドカちゃんに、秋十君も洗脳は解けたのだと安堵の息を漏らす。

「っ....!」

  “洗脳”という言葉に反応して、マドカちゃんは飛び起きる。

「マドカ?」

「ごめんなさい....ごめんなさい...!」

  突然、秋十君に謝りだす。...そうか、洗脳されてる時の記憶もあるんだったな...。

「私...私、秋兄に今までなんてことを...!」

「マドカ....。」

  泣きじゃくるようにそう言うマドカちゃんに、困った顔をする秋十君。

「ごめんなさい...ごめんなさい....ごめんnふえっ....?」

「.....。」

  懺悔するように謝り続けるマドカちゃんと秋十君は抱きしめる。

「...いいんだ。俺は、マドカが戻ってきてくれただけで、いいんだよ...。」

「秋....兄....?」

  優しく諭してあげる秋十君に、マドカちゃんは若干戸惑っているようだ。

「ぁ....。」

「....お帰り、マドカ。」

「....うん...ただいま...!」

  家族の一人がやっと戻ってきた。それが嬉しいのだろう。秋十君は涙を流してそう言った。マドカちゃんも、その想いが分かったのか、同じように涙を流しながら返事を返した。

「(...いい雰囲気なんだが...。)」

  
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