第1章:修正の始まり
第6話「真実」
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記憶が蘇ってくる。
―――「秋兄ー!」
―――「マドカ、どうしたんだ?」
―――「えへへー。呼んでみただけー!」
「(...これ...は....!?)」
秋兄と、仲良くしている私の記憶。まだ小学生になった頃の、私が知らない記憶だった。
「(知らない...!知らない...!あんな、出来損ないと、仲良くしてるなんて...!)」
―――本当に?
「(あいつは、私が教育してやらないと、ダメな出来損ないなんだ!)」
―――本当に、そうなの?
囁くような“私”の声と、私の叫びが響き渡る。
「(私が、私があんな奴にあんなやつに...!)」
―――...思いだしなよ...。
「(嫌だ..!嫌だ嫌だいやだいやだいやダいヤだイヤダイヤダイヤダイヤダ...!!)」
―――.......。
壊れたように否定し続ける私に、“私”は黙り、溜め息を吐く。。
―――...しょうがないなぁ...。
「(イヤダイヤダイヤダ...!いやd......ふえっ....?)」
途端に、最初の心地いい感覚に包まれる。
―――ほら、懐かしいでしょ?
「(あ.....。)」
懐かしい感覚と共に、記憶が思い出されていく。
秋兄と共に遊んだ記憶。仲良くしていた記憶。出来損ないと呼んだ時、実は心が痛んでいた事。それらが思い出されていく...。
「(...そうだ...私...は.....。)」
―――やっと、思い出したんだね...。
「(...っぐ...ぁああああああああ!!?)」
思い出したのも束の間、突然私は激しい頭痛に見舞われる。
―――記憶の強制改竄による妨害!?くっ...頑張って...!
「(あ...ぁあ...ああぁ....――――)」
―――あなたは私で、私はあなた。これさえ乗り越えれば、きっと....。
その声が薄れて行くと同時に、私の意識も薄れて行った...。
=桜side=
―――あああああああああ!!!?
「マドカ!?」
突然、部屋の中から聞こえてくる悲鳴に、四季さんが反応する。
「...俺が行きます!」
「っ...任せたよ、桜君!」
もしかしたら束のように洗脳に抵抗しているかもしれない。だから俺が先行した。
「<ガチャッ!>秋十君!無事か!?」
「さ、桜さん!マドカが...マドカが!」
部屋の中では、壁際で秋十君が驚愕した様子で尻餅をついており、マドカちゃんは頭を押さえ
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