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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
才人-ジ・アース-part2/異世界へ
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 そう答えたのはカナタだった。
「今あの宇宙船には謎の発光体が宇宙から接近している。もうすぐクール星人の宇宙船と衝突するはずだ。そうなったら誰も助けられないし、助けに行った人も二の舞になる」
 残酷な答えだった。カナタは遠回しに言っているのだ、もうサイトは助からないと。ハルナは絶望し、その場に膝をついて崩れ落ちた。ボロボロと、涙を流しながら。




 地上がどんどん小さくなっていく。もうこうなってしまった今、サイトは地上に戻ることなど不可能だった。飛び降りたところで死ぬのは目に見えているくらい、地上は遠すぎた。
「…」
 この変な丸い鏡のような発光体はなんなのだ。さっきから腕を引き抜こうとしても、全然腕が出てきてくれない。この発光体さえなかったら、こんな場所からさっさと抜け出せたのに!サイトはこの白い発光体が憎くなった。
と、その時だった。遠くからギラリと、一筋の青い光がサイトの目に映った。まだ今は昼の時刻だ。なのにあそこまで光るものなんて見たこともない。流れ星…とは言い難い。しかもその光は消えもせず、段々を大きくなっているように見えた。
「!」
 まさか、こっちに近づいてきているのか!
「何をしている!早くこいつを回収しろ!」
 何者かの奇怪な声が聞こえてきた。発光体の向こう側から聞こえたようだ。サイトはその方へ目を向けると、そこには数十体ものクール星人たちが集まっていたのだ。
こいつら、俺だけでも浚う気か!早くしなければ!たとえ地球に帰れない結末が待っていたとしてもこんなところで死ねるか!
 サイトは何度も、何度も発光体から腕を引っこ抜こうとするが、蚊のようにしつこく、発光体はサイトを離してくれなかった。
「まずい!もう発光体が!」
「あともうちょっとでせっかくの標本が手に入る所だったのに!」
「くそ!こうなったらあの小僧は捨てて脱出するぞ!」
 クール星人の一体がそう言った時、サイトは後ろを振り返る。

その時、彼は見た。

その青い光の中にいた、自分たちの方へ突進してきた、ゴーグル付きマスクに隠れた金色の瞳を光らせ鎧をまとった

蒼い巨人を。

青い光は、無情にも一直線にサイトやクール星人の主力が乗っていた宇宙船に直撃し、爆発を引き起こした。




―――――うわああああああああああああああああああああああああ!!!




 すでに宇宙船から脱出していたクール星人の小型円盤は、母艦を破壊されたことで行き場を失い、どこかへと飛び去って行った。
「平賀くーーーーーーーーーーーん!!!!」
 涙ながらに、親しかったクラスメートの名を叫ぶハルナの声が、青い空を切り裂いた。





 そうだ。俺は光に包まれた鎧の巨人が宇宙船に激突する直前、あの白くて丸い鏡のよう
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