巨人-ウルトラマン-
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フィードも空へと羽ばたきだす。
「タバサ下ろして!」
サイトを連れ戻さなければ。ルイズはタバサに自分を下ろしてほしいと願い出るが、彼女は首を横に振って断った。
「あなたも巻き込まれる。犬死するだけ」
「でも!」
ここでサイトを死なせてしまっては自分の沽券に関わってくる。…というのは建前で、実際ルイズはサイトの身を無自覚の内に強く案じていたためだった。
すると、彼女たち三人を乗せたシルフィードにもクール星人の円盤はビームを撃ち込んできた。シルフィードは三人を振り落さないように、かつ決して当たらないように、華麗にすばしっこく回避していった。そのまま高く飛び続け、ある程度の距離を保った状態で、タバサは頭上に自分の身の丈以上の巨大な氷の矢を作り出し、それを円盤に向けた。
「…ウィンディ・アイシクル…『ジャベリン』…!!」
彼女が杖を振った時、その氷の矢は円盤に向かって行くが、突き刺さらることなく、円盤に当たった途端砕け散ってしまった。
「タバサの氷の矢も通じない…!」
タバサは若干15歳にしてトライアングルクラスのメイジ。大の大人のメイジさえも歯が立たないこともあるほどの才能の持ち主にして実力者。そんな彼女の魔法がこうも通じないなんて。ルイズは青ざめた。
「タバサがダメじゃ、私の炎でもとても歯が立たないわね…悔しいけど、ここは逃げましょう!」
キュルケは悔しそうに歯噛みしながらも、ここは引くことを提案したが、ルイズが食って掛かる。
「でも、このままじゃ学院は!」
そうだ、自分たち学院の生徒にとって大切な学び舎、魔法学院はどうなるのだと、キュルケの逃亡するという提案に反対する。
「今は、私たちの命の方が大事。勝てない相手に無謀な戦いを挑むのは無駄」
だが、タバサもキュルケの意見に同意する。このまま戦っても奴らの格好の的でしかないのだ。タバサはシルフィードに、一端ここから離れるように命じた。
だが、なおも光線を発射し続けるクール星人の円盤。きっと円盤の中では、相手は怪獣よりもちっぽけな竜一匹だと言うのになぜ当たらないのだと苛立つクール星人の姿があるだろう。だがこの光線は一発当たっただけでも相当危険なもの。タバサもシルフィードも、無論一緒に乗っているルイズとキュルケも油断できない。
しかし、必死に避け続けていくうちにシルフィードにも疲れがたまり始めていた。
「きゅうう…」
「…まだ、諦めないで」
静かな口調のままだが、必死さを垣間見せるタバサ。だが現実を誤魔化すこともできないし状況だって打破できない。ついにふらつきが目立ち始めた。
「…ごめん。二人とも」
タバサはルイズとキュルケに謝った。さすがにこれ以上飛ぶことも難しくなってきていたのだ。
「し、シルフィード!しっかりして!」
ルイズがシルフィード
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