Fate/stay night
1121話
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目が覚める。
その瞬間に感じたのは、腕の中にある2つの柔らかい感触。
甘酸っぱい匂いに視線を向けると、何故か凛と美綴が俺の腕の中で気持ちよさそうに眠っていた。
それも、全裸で。
っていうか、俺も全裸なのは……
そこまで考え、ふと昨日の事を思い出す。
そうそう、俺は凛と美綴……じゃなくて、綾子と儀式の為に色々とやったんだったよな。
そう言えば、寝る直前に何かの音が……とそれを考えるよりも前に、その事実に気が付く。
……うわ、ベッドのシーツに色んな液体が、それこそ血まで散らばっているのがこの状態からでも見える。
しかもそのまま寝てしまったせいか、完全に乾ききっていて、もう洗濯をしても多分完全に汚れを落とすのは無理だろう。
機械音痴の凛でも時計は使いこなせるらしく、顔を動かして何とかまだ薄暗い中で部屋の時計へと視線を向ける。
夜目が利くのに助かったと思うのは、昨夜の儀式の時に月明かりだけで凛と綾子の身体をしっかりと見る事が出来たのに続いて2回目だな。
そこに表示されているのは、AM5:07。幸いこれまでよりもかなり早く目が覚めたらしい。
これは本当にラッキーだったと言えるだろう。
何しろ、俺は結局昨日儀式が終わってからすぐ眠ってしまった為、最終的に綾子がどんな風になったのか聞いていないのだから。
その点に関しても色々と話しておく必要があると判断し、腕の中で眠っている2人を揺らして起こす。
……その際に、どことは言わないけど綾子の方は大きく揺れ、凛の方はあまり揺れなかったのは……俺の平穏の為にも心に秘めておいた方がいいんだろうな。
そのまま数分程揺らし続けていると、ようやく2人ともが目を覚ます。
「う、ううん……何……」
「もう少し眠らせてくれ」
そんな風に聞こえてくるけど、それを無視して揺らしながら起こしていると、ようやく本格的に目を覚ます。
「……」
凛は相変わらず寝起きで頭が働かないのか、俺の方へとじーっと視線を向けている。
「なっ、ななな、ななななな……」
綾子の方が、目を覚ましてすぐ目の前に俺の姿があるのに気が付き、昨夜何が起こったのか、自分が何を口走ったのか、どんな風に俺に甘えたのか、どんな格好をしたのかといった事を思いだしたのだろう。更には、今の自分が下着すらも着けていない全裸の状態で俺の腕枕で寝ており、半ば抱きついているのに近いという事にも気が付き、見る間に顔が真っ赤に染まっていく。
そんな状態になった綾子が何をするのかと言えば……
「きゃああああああああああああああっ!」
そう、普段の綾子の漢っぽさは全く感じられない、これぞ乙女といった風に大きな悲鳴を上げるのだった。
「……さて。昨日は何だかんだ
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