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手のなる方へ
3部分:第三章
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と有り得ないわよね」
「当たり前でしょ。どうせお菓子か何かが出て終わりでしょ」
「だから皆覚えてないのよ」
 こういうことに話が向かっていくのだった。
「些細なことだしいつものことだから」
「お菓子っていってもあれでしょ?」
 神社ということから皆がこうした場でもらえるお菓子といえば一つしかないのであった。
「紅白饅頭」
「あれよ」
「あれね」
「あれしかないじゃない」 
 こうまで言う女の子がいた。
「こうした時に貰えるお菓子って」
「神社だしね」
 田舎ということや神社であるということを差し引いてもやはり考えられるのはこの紅白饅頭しかなかった。皆これが出て終わりだと考えるようになってきていた。
「それで終わりでしょ」
「お菓子食べてね」
「あとお茶ね」
 お菓子にお茶は欠かせないのであった。お茶はこの村でも作られている。田舎だが栽培しているものはわりかし多いのである。だから小さくてもそれなりに豊かな村でもあるのだ。
「お茶も出て飲んで食べて」
「それで解散よ」
「そうなんだ」
 どうにもこんな話で終わるのだった。
「じゃあお饅頭期待して待つのね」
「そんなところね」
「ゆっくりしていましょう」
 こう言い合って今度はそれぞれ座ったり立ったりしてお喋りに入るのだった。恭子と須美もその中にいてやはりお饅頭が貰えると思っていたのだった。

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