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狩人が斬り裂く
古狗
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広く穢れが広がる。幸いにして今回は早い段階で事態が発覚し、早急に対処することができたが我々の目の届かないところで勝手に狗神憑を殺され、穢れが広まればその被害は一人の狗神憑が起こすものよりも大きくなる。それらしき人物を見かけたのならば、相応の対処をするべし。以上、今回の緊急会議を終了とする。解散」

 伊花の言葉により、出席していた面々は次々に立ち上がりその場を去る。だがタキもトカケも腑に落ちないといった表情だ。
 一方、彼女らの孫たちそれほど事態を重く見ていなかった。特に、マキは。

「この下手人ってやつさ、深淵四層にまで潜り込んでいて、しかも古狗も始末しているらしいぜ。砂蜘蛛っての。腕がなるよな」

「あらあら、マキ。まだその人と戦うって決まったわけじゃないのよ」

 マキは親友のユズリと共にその場を後にする。彼女たちは、自分たちならその下手人もどうせ簡単に倒せるだろうという自信があった。

 ただ一人、その場に残っているサクヤはそうではなかった。犬上筋以外に狗神憑と戦える存在、それが本当に害であるのか、頭を悩ませるのだった。

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