初夜
[2/2]
[9]前 最初 [2]次話
ように構えて腹部に突き刺す。
―――グゥッ!
男の右手は獣の腹部を貫き、内臓を藁でも束ねるようにしっかりと掴んでいた。そしてそれを引っ張る。渾身の力を込めて、獣の内臓を引っ張り出す。
―――ギャアアアァァァ……!
獣は吹き飛び、臓物と血液をまき散らして絶命した。その亡骸が痙攣するも、十数秒後にはピタリと止まった。
結局のところ、窮鼠は猫を噛まなかった。ネズミがいくら命を絞ったところで、猫には児戯でしかないということだ。
「……」
男は獣の臓物を放り捨て、ノコギリを拾う。辺りを見回しても生き物の気配はまるでない。皆死に絶えてしまった。
「……」
狩人は天を仰ぎ、月を見る。
ここがどこなのか、どうしてここにいるのか、彼にはわからない。だが一つだけ、確信して言えることがあった。
―――ここは、良い狩り場だな
[9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ