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手のなる方へ
2部分:第二章
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え」
「神社っていえば」 
 女の子達は自分の中にあるこの神社へのイメージを思い浮かべるのだった。
「盆踊りと」
「あとはお祭りとかね」
 大体こんなところしかなかった。村の神社に対するイメージとしては非常にありきたりなもので何処もおかしなところはないと言えた。
「そんなところ?」
「新年にお参りしてね」
「それ位しかないわよね」
 結論としては悪いイメージはないのだった。これは確かだ。
「じゃあ一体何かしら」
「何があるのかしら」
 また口々に言い合う。だが答えは出ない。
「誰か神主さんのお家に行ったことある?」
「私だけれど」
 一人の女の子が名乗り出てきた。
「一応は」
「ああ、そういえばあんた」
「うん、お婆ちゃんがね」
 彼女は自分の身内についての話をはじめた。
「神主さんの妹だから」
「そうだったわよね」
「そういえばね」
 つまりは彼女にとって神主は大叔父にあたるというわけだ。これはこの場においては非常に大きな意味を持ち得ることでもあった。
「じゃあ聞いてるわよね」
「ここで何があるか」
「全然」
 しかし彼女も首を横に振るだけであった。
「十四歳の娘が集められるって聞いてるけれど」
「じゃあ全然知らないのね」
「ええ」
 また他の女の子達に答えるのであった。女の子達にとっては残念な答えであった。
「何が何だか」
「全く」
「そういえばね」
 別の女の子が口を開いた。
「うちのお婆ちゃんもお母さんもここに来てるのよね」
「あっ、そういえば」
「そうなるわね」
 このことにあらためて気付く女の子達だった。何故なら村の女の子は十四歳、今の学年で言うと中学二年になるとここに集められるのだ。それで知らない筈がなかった。

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