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少年は魔人になるようです
第105話 終わりが始まるようです
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人の背丈程の物まで大小様々な骨の山が15ほど

積み上がっている。そのどれもに当てはまるのが、龍の頭と思しき骨がある事。


「まさかコレ全て"骨龍"でござるか!?」

「この程度で驚いていてはもたんよ?此処にはうようよ居るからね。今もホラ、刹那嬢と

ゼルクが薙ぎ倒している所だ。」


楓が驚く程の龍種"骨龍"。龍種と言っても特有の魔力・強固な鱗と各属性のブレス攻撃さえ持たない

死霊系(アンデッド)なのだが、特筆されるのはその異常な不死性と防御力にある。

骨だけの体は強靭な呪いで繋ぎ留められ、上級以下の魔法では一切傷つかず、その上でバラバラに

されようと粉々にされようと数秒で組み直される。そもそもとして脳も魂もない魔物を殺す術は無い

と言うのが普通の見解だ。それをどのようにしてか瞬時に、山と屠っているその異様。


「凄まじいでござるなぁ……。」

「なぁなぁ、ワイも行って来てええか!?」

「止めた方がいいだろうね。と言うか、君は防護無しで大丈夫なのかね?」


そう問われ小首を傾げる小太郎。その身の回りには松永の防護壁どころか狗神による防御さえして

いないと言うのに魔素の中でも平気で動けるのは、全ては小太郎の体質によるもの。

獣化連装の多用による黒狗神化が進んだ結果、この場は寧ろ無条件に使える力が満ちている程なのだ。


「なんか知らへんけど調子ええんや!これなら骨龍の一匹や二匹行けるで!」

「出来るかどうかはさておき、今はそんな暇はありません。早く合流しましょう。」

「ちぇー、つまらんなぁ。戦えへんなら風呂敷ん中入っとれば良かったわ。」

「血の気の多い小童じゃのう……バリボリムシャムシャ。」

「何喰っとんねん魔族のちっさいの!?」


(恐らく)骨龍の身体の一部をボリボリ貪りながら登場したゼルクと吹き出した小太郎を先頭に、

廃墟を再度進む一行。その後も魔物が出現しても刹那が切り捨て、一時間半足らずで目的の場所の

目の前まで到着した五人は岩陰に隠れ、"閃の眼"で入口の様子を伺う。


「……どうやら先日と変わり無いようです。」

「残念、先行した三人が倒してくれていれば楽が出来て良かったのだがね。どうする、ゼルク?」

「ふぅむ……前回より増した戦力をどう使うかのう。楓は分身と火の忍術、犬童は魔系の狗神使い

じゃったな?」

「おう、せやで!」


三人の中で軍師の役割を担っているゼルクがふむ、と顎に手をやり作戦を考える。

数分後、手を胸の前でポンと合わせ、極上の笑顔で宣った。


「うむ、どちらも役に立たんの!」

「よーしようやっと分かったわ。喧嘩売りたいだけならはよ言わ
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