月下に咲く薔薇 13.
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が現れた。
ミカだ。
彼女はコスモクラッシャーのクルーの1人で、通信分野に詳しく情報分析にも長けている。一見すると短髪のかわいらしい少女なのだが、ルカやクリス、ミヅキ達と高度な話で盛り上がる才女だ。
戦場では、クラッシャー隊の名を背負い三大国家の前にその存在を際立たせる役割も背負っている。ZEXISの表の顔を支える1人。そんな側面を持つ少女でもある。
「今までの話を聞いていて、気になった事が幾つかあるの。いい? 何故、消えた筈のクロウがここにいられるの? クロウは元々アイムの最優先標的よね。それに、もしティファが目障りなら、直接狙う方が自然じゃない?」
「ああ、そうだ。そう考えた方がしっくりくるんだが…」
隣に座るロックオンが顔をしかめ、じっと虚空を見つめている。
もし、アイムに連れ去る意図があるなら、当然クロウは今この部屋にいる筈がない。そもそも、意図的に2人の再会を仕組んだショッピング・モールで拉致を実行しているだろう。
ところがアイムは、敢えてクロウを解放した。勿論、ティファもバトルキャンプの中にいる。引っかかるのは、その部分だ。
まるで、いつも通りのアイムではないか。
「だろう!?」違和感に翻弄され、クランがぶんぶんと両手を振り回す。「何かがおかしいぞ! 邪魔はされるし辻褄は合わないし、あーっ、私は苛々する!!」
「俺だってそうさ」ロックオンが前髪をかき上げ、自分のベッドに1人で座っているミシェルと目を合わせる。「まさか、とは思うんだが…。結構でかいものを見落としてるのか?」
「よし、一度整理してみよう」ミシェルは右手の人差し指で、空中に2つの小さな丸を描いた。「まず、クロウを連れ去った実行犯を仮にA、クロウを通路に投げ出した実行犯をBとする。AとBは同一人物かもしれないし、別人かもしれない」
ここでは、全員が一応頷いた。
「もしアイムがAなら、わざわざ連れ去っておいて返す理由が見つからない。ブラスタと込みで必要なら、まず手出しそのものをしない可能性だってある。さっき見せたショッピング・モールでの行動は、正にそれだ。そして、問題のB。もし、Bがアイムだとしたら意外と辻褄が合う。ブラスタのある場所にパイロットを戻した、という考え方だ。そして、もしAがアイムでなかった場合。ブラスタは無しでも構わないし、場合によっては、連れて行くターゲットはクロウ以外でもいい」
「それでミシェルは、ティファや中原の事を心配しているのだな」
ようやく話の見えてきたクランが、無意識に自分の事は外しミシェルの推理に感心する。そんな無防備なクランだからこそ、彼氏の表情は依然曇ったままだ。
「ああ。どうやらAの誰かさんも、少なからずZEXISの混乱を望んではいるらしい。俺が考えているのは、アイムの信奉者という可能性だ。アイムよりも
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