024話
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微睡の中で漂う我が身、その中で幻のような夢を見る。それは真に夢か否か、それは解らない。あるいは現実、あるいは幻。その二つ、両方なのかもしれない。偉大な竜殺しは不思議な海の中に身をゆだねていた。
―――竜殺しの英雄、お前は私のものだ。さあ我が手をとれ。
何処かから聞こえてくる声、甘美で心が安らぐような優しい声。思わずそちらへと手を伸ばしてしまう、その先に見えたのは麗しい美女。見つめているだけで心が痺れる様な感覚に襲われ魂が吸い寄せられていく。一歩、一歩足を進めるが
―――!!くん!!ジーくん!!
誰が、自分の名を呼んでいる。その声を聞いた瞬間に心に絡み付いていた電撃のような痺れが取れていく、だがその声は更に強く心を縛ろうと巻きついてくる。自分の逃がそうとしていないかのように。もう自分はその声には惑わされない、人を惑わす魔性の声。それを振り払い自分を呼び声へと駆ける。手を伸ばすと………
―――目が覚めた。視界には上がった手を心配そうに握り締めているドロシーがいた。
「ジーくん!!良かった目が覚めたのね!!!」
「こ、此処は………俺は、どうなったんだ………」
身体を起こすと周囲にはスノウ達が自分に視線を向けていた、ジークが横になっていたのはカルデアの宮殿の奥、大爺がいる広間でギンタと共に横になっていたようだ。
「兎に角二人とも無事でよかったっすよ!」
「あんまり大丈夫じゃない……気分悪いし頭クラクラする………」
「俺もだ………二日酔いの30倍ぐらい気分悪い………」
「二人ともたった一人で数十人のチェスとやり合ってたらしいじゃねぇか。無茶しやがるぜ、特にジークはな」
どうやらギンタもかなりの数のチェスと戦闘をしたようだが数だけで言えば圧倒的にジークの方が上だったようだ。
「下界の様子は如何じゃった?」
「半壊です、ARMは無事でしたが復興は難しいでしょう」
「そうか……奴らにARMが渡らなかったのは不幸中の幸いじゃな」
「はい、そうでs「ファントムがいた」っ!!?」
ドロシーの言葉を遮ったギンタの言葉にその場の全員が凍りついた、ファントムがいた。チェスの駒の司令塔が直接此処に出向いてきたというのか、その言葉のインパクトは余りにも大きい。
「ギ、ギンタもしかしたファントムと戦ったんかいな!?」
「うん、俺は自分の力を過信してたよ。慢心してた」
「今気づいてよかったんちゃうか………?」
「うん」
チェスの大軍を相手にした後にチェスの最高戦力と戦闘をするという無謀な事をしたギンタだがそれそれで彼を成長させる良い薬になり得たのかもしれない。
「………俺は、ディアナを見た」
「「「「「!!!!??」」」」」
ジークの言い放った言葉はギンタの言葉以上の衝撃を与えた
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