最終話:俺と乞食とその他諸々の日常
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の日にか乞食が嫁になることを祈っているぞ」
「えっ!?」
嫁という言葉に顔を赤くするジークに笑いながらリヒターは再び愛おし気に頭を撫で始めるのだった。
〜俺と乞食とその他諸々の日常END〜
おまけ〜ファーストキス〜
あれから少しのような多くの日にちが経ちジークは見事インターミドルの世界戦で優勝することに成功した。
今は優勝インタビューを受けている最中なので俺は大人しく隅の方でエルスと一緒にスポーツドリンクで乾杯して喜びを分かち合っている。
「見事チャンピオンに返り咲いたジークリンデ選手。今のお気持ちをまず誰に伝えたいですか?」
「え、えーと今まで支えてくれた人たちみんなに伝えたいんですけど……やっぱり、リヒターに伝えたいなって……」
「リヒターというとセコンドのノーマンさんですね。チャンピオンにとって彼は?」
「えっと……世界で一番大好きな人です」
会場にヒューヒューという音が響き渡る中俺はスポーツドリンクを噴き出していた。
エルスに背中を擦ってもらいながら普段は恥ずかしがって人前でこんな事は言わないジークを恨む。
なぜ、こんなところで暴露するのか。
「お二人は恋人同士ということでしょうか?」
「は、はい」
「お熱いですね。折角なのでセコンドのノーマンさんにも来ていただきましょう」
何故だ。何故こんな展開になっているんだ。
俺はエルスに半ば押し倒されるように背中を押されてリングの上のジークの隣に歩いていく。
会場全体の視線が俺に向いているのが分かる。
応援に来ていた皆が爆笑しているのが見える。後で覚えてろよな。
「さて、ノーマンさんに聞いてみたいと思います。あなたにとってはチャンピオンはどういった存在ですか?」
「……私生活ではちょっとドジを踏みます。でも、自分にとって世界で一番愛おしい女性です」
もう、隠すのことも出来ないので覚悟を決めて真面目に答える。
再び会場が湧き上がる。少し雷が発生している所があるが多分あそこにヴィクターがいるのだろう。
「チャンピオン、今のを聞いてどうですか?」
「その……最初は優勝できたら告白しようと思っとったんです。でも、色々あってリヒターの方から告白してくれて……ずっと好きやったのが報われて……私、今本当に幸せです」
感極まり軽く涙ぐんでいつも口調に戻って答えるジークの姿に顔が真っ赤になるのが自分でもわかる。
……反則だろ、そんな言葉をそんな風に言うなんて。
大勢の前なのに抱きしめたくなってしまうじゃないか。
「告白は先にして貰いましたが、今優勝して何か彼にして欲しいことはありませんか?」
「え? そうやな……ご褒美が欲しいん……かな」
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