最終話:俺と乞食とその他諸々の日常
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「ジーク、通報してくれ」
「任して」
クラウスが聞けば泣いてしまいそうな言葉を平然と放つアインハルト。
完全に反罪発言をするミカヤ。二人は阿吽の呼吸でミカヤを通報するために管理局に通報する。
するとどこからかシグナムが現れたミカヤとついでにアインハルトを掴んで部屋の外に出て行く。
何が起こったのか分からない二人だったが取りあえず見なかったことにして先程の続きを始める。
「待ちなさい! そんな不埒な行動は許しませんわ!」
そこでまたしても邪魔者が飛び込んでくる。
必死な形相でジークの元に飛び込むヴィクターだったがエドガーに羽交い絞めにされて止められてしまう。
「お嬢様、病室ではお静かに」
「ヴィクターさん、落ち着いてください」
「ヴィヴィには分からないのですか、この不条理が!? ジーク、考え直してください!」
「……ヴィクターなにしとるん? というか前々からリヒターのこと、す、好きって言うとったやろ」
「聞くと見るとは大違いです!」
エドガーとヴィヴィオの制止も聞かずにジークに懇願するが二人は呆れた目線を返すだけである。
そしてヴィクターの前でこれ見よがしにあーんをして見せる。
「憎しみで人を殺せるなら…ッ!」
「お嬢様は私が抑えておきますのでヴィヴィオ様はお見舞いの品をお渡しください」
「は、はい。あのリヒターさん、これママたちからのお見舞いの品の果物です」
「ありがとう、またジークに食べさせて貰うよ」
「……えっと、ごちそうさまです?」
暴走しかけるヴィクターを外に連れ出す姿すら優雅なエドガーはやはり優秀な執事なのだった。
ヴィヴィオは状況に戸惑いながらも果物が入った籠をリヒターに渡す。
同時に惚気を聞かされて顔を赤らめながら覚えたての言葉を使ってみる。
「それじゃあ、お邪魔したら悪いので私はこれで失礼しますね」
「ああ、なのはさんとフェイトさんにお礼を伝えておいてくれ」
「はい、それでは」
病室から見舞いの客(?)が消えて静けさが戻って来る。
「はぁ……なんか大変やわ」
「そうだな、だがこれも俺達の新しい日常になりそうだな」
「……まあ、楽しそうっちゃ楽しそうよね。私がいてリヒターがいてみんながおって……そんな毎日や」
ベッドに倒れかかるように身を投げ出し、頭をリヒターの手の元に持っていき期待の眼差しを向ける。
角度的に狙ったわけではないだろうが上目遣いになるというイジらしい行動にリヒターは笑いながら彼女頭をゆっくりと撫でる。
気持ちよさそうに目を細める彼女を愛おしく思いながら彼はふと思った言葉を口に出す。
「俺と乞食とその他諸々の日常」
「なんやそれ?」
「さてな、それといつ
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