第二百二十七話 荒木謀反その六
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持っている武具もだ、そして具足もだった。
どの色も暗い、闇の様だ。
しかもだ、どの浪人達もだった。
「生まれを詳しく言わぬな」
「誰もな」
「どの者も怪しい素性じゃな」
「何者なのじゃ、一体」
「どの浪人共も」
「急に出て来たしのう」
「この城にな」
荒木の家臣達はその浪人達を見て言うのだった。
「しかも数が多い」
「あっという間に千人は来たぞ」
「しかも次から次に来る」
「城を囲まれるまでにどれだけ来る」
「兵なぞ来ぬと思っておったが」
「それがな」
「思わぬことになったが」
しかしとだ、彼等は話すのだった。そして。
荒木はこの状況にだ、こう言ったのだった。
「わしの言った通りじゃな」
「どの者も得体が知れませぬが」
「怪しい者達ばかりですが」
「何処からか来て城に入って来て」
「暗い服に武器、具足にと」
「おかしな者達ですが」
「そうじゃな、しかしじゃ」
それでもと言う荒木だった、今も。
「わしの読み通りじゃったな」
「はい、確かに」
「兵は来ております」
「ではあの者達をですな」
「戦わせますか」
「そうする、御主達は本丸を固めよ」
城の、というのだ。
「よいな」
「はい、では」
「我等はそうします」
「それではです」
「あの者達は、ですな」
「城の場所を守らせる」
「そうしますな」
家臣達も答えた、そして。
荒木は彼等にだ、こうも言ったのだった、
「それで兵糧と鉄砲、塩等じゃが」
「そういったものは」
「どうされますか」
「本丸に集めよ」
荒木が自身の家臣達と守るそこにというのだ。
「よいな」
「はい、それはですな」
「やはり本丸でなければなりませんな」
「本丸が最後の守り」
「だからこそ」
「そういうことじゃ。ではな」
このことは誰も疑うことなく進められた、その間にも暗い服の浪人達が集まり荒木は彼等を本丸以外の場所に当てていった、だが。
本丸と城の要所はだ、全てだった。
荒木の兵達が固めた、その状況にまた家臣達は話した。
「城の要所はです」
「全て我等が固めました」
「後は、です」
「戦だけですな」
「城の外はどうなっておる」
荒木は信長の兵の動きを問うた。
「一体」
「はい、支城は全て落ちました」
「この城にも迫っています」
「そしてです」
「先陣があと一刻もすれば姿を現し」
「その城を囲みます」
「そうしてきます」
まさにというのだ。
「その時は近いです」
「すぐに本陣も来るでしょう」
「そして遂に」
「戦になるかと」
「わかった」
荒木も頷いた。
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