研磨side
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朝、いつものようにクロにLINEテロでたたき起こされて、渋々朝練へ向かう。
登校はクロも一緒。
俺がサボると思ってるらしい。
…まぁ、そうだけど。
「おい研磨、歩きながらゲームすんなって言ってるだろ」
「クロうるさい。今いいとこだから静かにして」
中ボス戦。
昨日、装備のグレードが足りなくて一発で壊滅したから、そのリベンジ。
でも広範囲ブレスが結構厄介。中ボスのくせに無駄に強い。状態異常系の技多い。
部室につくかつかないかくらいで、決着がついた。…惨敗……。
「…はぁ……」
憂鬱な気分で部室のドアに手をかけたたら、クロがあっと声を出した。
「わりぃ研磨、俺今日日直だからちょっと職員室行ってくるわ」
「…分かった」
ドアを開ける。
いつも通りの部室の風景。
でも、何かが違った。
そう、匂い。
この甘い匂いは…!!
「アップルパイ…」
「なんでわかるんだお前…」
「アップルパイは、アップルパイだから」
「どういうことだよ…」
なんで部室にアップルパイの匂いが。
制汗剤の匂い?
いや、違う。本物のアップルパイ。
「とりあえず、ロッカー見てみ」
「ロッカー?」
言われた通り、ロッカーを開ける。
中には、
アップルパイ。
「…………」
「おー、研磨の目が輝いた」
「……これ、食べていいの?」
「おう。……それじゃ、せーのっ」
「「誕生日おめでとう!!研磨!!」」
「…あ、ありが、とう…」
さっきまで憂鬱な気分だったのに、なぜかもう平気だった。
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