第五幕その五
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「安心していいわ」
「それじゃあ」
「飛行船もだよ」
魔法使いもお話してきました。
「雷は全て防ぐからね」
「魔法で、ですか」
「私が飛行船にそうした魔法をかけておいたんだ」
「耐電コーティングですね」
「うん、他には熱や冷気も防ぐから」
雷以外のものもというのです。
「どんな状況でもお空を飛べるんだ」
「大雨や吹雪の中でもですか」
「勿論だよ」
そうした悪天候の中でもだというのです。
「だから安心してね」
「わかりました、じゃあそうした時も」
「心配しなくていいからね」
「はい、ただ」
ジョージは雷のことも飛行船のことも安心しました、ですが。
あまりにも雷が続くからです、怪訝なお顔になって言うのでした。
「何か止まらないね」
「そうだね、これはね」
神宝もジョージに応えて言います。
「幾ら何でもね」
「もうどれ位鳴ってるかな」
「百回位?」
神宝は首を少し傾げさせて言いました。
「それ位かな」
「幾ら何でも多いよね」
「相当にね、これはね」
「ちょっと多過ぎるから」
「何かあったのかな」
「雷の精霊さんとかいます?」
カルロスはポリクローム達に尋ねました。
「お空には」
「ええ、お空には私達以外にもね」
ポリクロームがカルロスのその問いに答えました。
「沢山の精霊がいるのよ」
「そうなんですか」
「その雷の精霊さんにね」
それにというのです。
「雲や風、雪に雨のね」
「色々な精霊さんがいるんですね」
「それでなのよ」
「雷の精霊さんもですか」
「いるのよ、ひょっとして」
「雷の精霊さん達がですか」
「何かあってね」
それでというのです。
「それで騒ぎになっているのかしら」
「ううん、大丈夫かな」
ジョージはポリクロームのお話を聞いてです、そのうえで雷の精霊さん達のことが気になってそれで言うのでした。
「雷の精霊さん達」
「そうね、何かね」
「この鳴り方は尋常じゃないわね」
恵理香とナターシャもジョージの言葉に続きます。
「変なことになってるのかしら」
「揉めごとが起こっているとか」
「喧嘩とかはオズの国ではないけれど」
ドロシーも怪訝なお顔で言います。
「けれどこの鳴り方は確かに普通じゃないわね」
「やっぱりそうですよね」
「ええ、だからね」
それでとです、ドロシーは皆に言いました。
「雷の精霊さんのところに行ってみようかしら」
「そうしますか?」
「騒ぎになっているのならね」
それならというのです。
「放っておけないから」
「そうですね、オズの国の王女として」
「ええ、王女は困っている人を見たら放っておいてはいけないの」
それは絶対にというのです。
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