暁 〜小説投稿サイト〜
ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
予感と兆し
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……」
「……ハルカ?」

 どうやらまだ思うところがあるらしい。
 やはりまだ遊びたりぬか……!!!
 と、俺が思っていると唐突にハルカが話しかけてきた。

「あの……昨日言った私の知っているところ(・・・・・・・・)に行きませんか?」
「んー、ああいや、全然良いんだけどそこって宿屋なんじゃないの?」
「まあ……着けばわかります」

 なるほど。そりゃそうだ。
 しかも折角のハルカからの提案だ。それを無碍にすることはできない。

「おっし、じゃあ行こうか。案内お願い」
「はい、わかりました」

 会話はそれっきりだった。なにやらハルカも考えこんでいるようでお互い無言で歩き続けた。
 ものの数分で目的地に着く。どうやらなんの変哲もないただのビルのようだ。
 こんなところに何の用だろう……そう思っているとハルカはスタスタビルの中に入ってしまった。あとを追いかけると中もやはり普通のエントランスだった。
 聞いてもハルカはゴモゴモしそうなので受付の人にこのビルのことを聞いて見ることにする。

「あの……」
「はい、どうかされましたか?」
「このビルって何をするところなんです?」

 女性は一瞬、え?というような顔をした。というかこっちが、え?なんだけど。

「あの……わたくしイッシュ地方の田舎からでてきたばかりで、こちらのビルが何のビルかまだわかっていないんです」
「あっはい、すいません。ありがとうございました」

 ーーおいおい、ますます訳がわからんぞ。
 俺がそんなことをしている間にも、ハルカは歩みを止めなかった。エレベーターに向かっている辺り、目的地はどうやら上の階らしい。
 ハルカはエレベーターに入ってすぐ二階のボタンを押した。同乗者はおらず、二人きりの少々気まずい沈黙に包まれる。少しの浮遊感のあとリンゴーン!と音がしてエレベーターが止まった。

「ん?誰も……いない?」

 フロア全体が異様な静けさに包まれていた。デザイン自体はシンプルなのだが、無音ここに極まれりという状態の所為か逆に不気味に見える。

「こりゃー、手を抜きおったな」

 ミアレシティは見た感じ、そうとう容量を喰っているのでこんな感じの場所もあるにはあるのだろう。

「あ……でもハルカ。こんなとこに何のようなん…だ……」


 次の瞬間だった。


 バチンッと一斉にフロアの電気がおちる。

「なんだ?停電……!!!!」

 違和感に気づいたのはその時。


「身体が……うご……か…ない……」


 金縛り……というより世界からのシステム的拘束を感じて俺はハルカの方を振り返ることが出来なくなっていた。

「お、おい……ハル…カ!……大丈夫……か!」

 しかし返
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