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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
Extra episode
Thief and Assassin
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の本当の名前なんだ。だから、二人の時はそう呼んでおくれ。」
「・・・ふっ。」
今までの彼女と違い、どこか晴れやかな顔をしている。そんな彼女を見て思わず笑ってしまった。だって答えは決まっている。
「いやだ。」
「・・・・って、はあああああ!!?」
「なんで俺だけ呼び方変えなきゃいけねえんだよ、面倒くさい。」
「めん・・・!アンタどんだけ面倒くさがっているのよ!?」
「だからなんで本名で呼ぶ必要があんだよ。」
「うるさい!人の事情には興味がないんでしょ!黙ってそう呼んどきゃいいんだよ!!」
「おいおい脅迫かよ・・・。大体うるさいのはどっちだよ、年が――」
「誰が年甲斐もなくですってぇぇぇ!!」
「まだ言ってないだろ・・・。」
ああ言えばこう言うの繰り返し。彼を前にすると、自分を着飾らないでありのままの私でいられた。口を開けばカチンとくることしか言わないけど、そんな会話が楽しくってしょうがなかった。
にしたって、少しは察してほしいもんだ。自分の本名を明かすことにどれだけ意味があるのかさえ気づいてもらえない。
「(ホント、鈍感な人なんだから・・・)」
「は?何だって?」
「なんでも―――って、あ・・・」
言い返そうとしてはっと
それらの存在
(
・・・・・・
)
に気づいた。私たちは廊下で話していた。それも本を片付けながらだったから互いに座り込んでである。そんな二人の状況に
授業の合間の生徒たちが
(
・・・・・・・・・・・
)
注目しないわけがなかったのである。
「ねえ、あれって・・・」
「ミス・ロングビルにヴァロナさん?」
「珍しい組み合わせね。」
「でも、噂だとあの二人って同じ・・・」
「え、それって」
「まさか・・・」
「禁断の・・・!?」
「そういえば昨日の夜二人で・・・」
「え、なになに?」
「二人で学院の外から帰って来るのを・・・」
「きゃーーー!!」
「そ、そんな!?ミス・ロングビルは僕の―――」
なんてことが呟かれている。ていうか最後なんなのよ!?
と思っていると突然彼が徐に立ち上がった。
「やれやれ、ミス・ロングビル。秘書の仕事が忙しいのは分かりますが、せめて昼寝の場所ぐらいは弁えて下さいね。それも返す本を置きっぱなしにして。」
この本は代わりに私が返してきてあげましょう。
と言うと、今までのことが何もなかったかのようにさっさと本を抱え上げると、生徒たちの中をかき分けて消えていった。
残されたのは状況が飲み込めない生徒たちとその中心にいる私。
「え?」
「昼寝?」
「ミス・ロングビルが?」
「こんなところで・・・」
「そりゃあ場所ぐらい・・」
「ああでも寝顔見
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