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暗殺
2部分:第二章
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な笑みで仲間達に話した。
「病故だ」
「病?病というと」
「それは一体?」
「何の病だ?」
「近頃南から入って来たという病だ」
 まずはだ。それだというのだ。
「その病だ。それは女から移る」
「女からというと」
「交わることによってか」
「そこからなる病なのか」
「そうだ。奴は無類の女好きだ」
 そのことでもだ。敵を多く作っていることは言うまでもないことだった。
「だからそれを使った」
「女のか」
「そこから病をか」
「そうだ。まんまとかかった」
 彼はだ。口の両端を三日月の如く吊り上げて言ってみせた。
「そして腐り苦しみ抜いて死んだのだ」
「奴に相応しい死に様だったな」
「聞くところによるとな」
「暗殺の仕方は色々だ」
 彼はまた言った。
「こうしたやり方もあるのだ」
「うむ、刺客の一種だな」
「病気を持った刺客か」
「面白い刺客だ」
「ではだ」
 ここまで話してだ。そうしてだった。
 彼等はそれぞれ杯を掲げた。どの杯にも美酒が並々と注がれている。
 その杯を掲げてだ。そうして言うのであった。
「ではあの男の無惨な死にだ」
「その悪行に相応しい業罰を受けたことにだ」
「乾杯しよう」
「そして祝おう」
「あいつが死んだことにな」
 こうそれぞれ言い合ってだ。そのうえでだ。
 彼等は乾杯をしてだ。美酒を飲むのだった。暗殺が成功したことを祝って。


暗殺   完


                2011・4・21

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