1 入学式
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理事長の言葉を聞きながら俺たちはまっすぐと前を向いていた。
入学式。
まわりをこっそりと見るとみんな俺と似たような感じ、つまり緊張と期待と不安が同じくらいの割合で
混ざったような顔をしていた。
俺は闇野月影。今年で十六歳になる。身長は169cm。どこにでもいる普通の少年だ。
ここは国立龍煌学園。県内でもトップクラスの有名校で、自由な校風で制服なし、自然豊かな環境だが、そこまで偏差値は高くない。
この学校で俺たちは『ゼクラス』や、魔法の使い方を勉強する。
『ゼクラス』とは魔法が使えない普通の人間たちが街の結界の外に出る魔物と戦うための道具だ。
クライブと呼ばれる最も新しい元素を使っており、その形はひとつひとつ違う。
ゼクラスにはそれぞれランクがあり、一番上から『S』、『A+』、『A』、『B+』、『B』、『c』がある。
先生たちが持っているゼクラスは大体A+で、Sランクを使いこなせる人間は日本中には三人しか確認されていない。
・・・と気がついたときにはもう理事長の話は終わっていて退場しなければいけないタイミングが近づいていた。
きれいに二列に並んで退場するとほっとした空気が流れる。
その足で各自の教室に向かうともう席が割り振られていた。
俺の席は窓際の4列目。ちょうど校庭が一望できる席だった。
無言でその席に座ると窓の外を眺めた。
いや、眺めようとしたとき、突然声をかけられた。
「君が闇野君?」
男子にしては少し高い声だった。
「だから何?」
「いや。ちょっと声をかけてみようかな、と思っただけ。あ、僕は笠峰空人。よろしくね」
じっくり見てみると彼は相当なイケメンだった。
身長は約170cm。たぶん戦闘技術よりも情報戦のほうが得意。
とそこまで解析してから挨拶を返していないことを思い出す。
「・・・闇野月影。よろしく」
「じゃあ、月影って呼んでもいいかな。僕のことは空人でいいから」
「別にかまわないが・・・」
「そらよかった。・・・ああ、ちょうどいい。ちょっと君に紹介したい子がいるんだ」
「・・・へ?」
え、ちょっと展開速すぎじゃない?ついていけてないんだけど。
「おーい大地ー」
「どうした〜?」
と呼ばれてきたのは厳つい男だった。
身長は約195cm以上。筋肉質だからこっちは戦闘技術特化型の性格だな。
「こいつは緋井垣大地。俺の友達。こっちは闇野月影君」
「よろしくな。お前とは一度話してみたかったんだ」
巨漢のイメージにぴったりな野太い声に挨拶を返した。
「へえ。なんで?
「お前だろう?入学試験で唯一試験官5人全員を倒した奴って」
「ああ・・・」
この学校の入学試験は特別で、5教科の筆記試験ともうひとつ、実技試験が存在する。
ルールは簡単、試験官5人と戦って3人以上に勝てたら試験突
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