第四話 誘惑と驚愕 その三
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それを追いかけ、キュルケは教室の外へ出た。次の授業は、この土の塔の隣にある水の塔。だが、タバサはその水の塔への道を逆行し始める。
「タバサ、どこ行くのよ!次の教室は反対方向よ?」
その叫びを聞いてもなお、タバサの歩みは止まらない。
「本当に、どうしたっていうのよ」
途方に暮れたキュルケは、ああ、もう!と癇癪を起したが、次の瞬間にはタバサの後に続いていた。
「どうしてしまったのだ、私は」
アーチャーはルイズの命令に従い、授業には出席せずに自問自答を繰り返していた。
じゃぶじゃぶと、彼女の洗濯物を手洗いしながら。
(私は、思ったことをすぐに口に出す人種ではなかったはずだ。だが、あの場では言わねばならないと、そう思った。いや......そうじゃない。思った?私は、本当にそう思ったのか?)
確かに、あの魔女は目的と手段を誤認していた。あろうことか、自分の手段が目的そのものかのような口ぶりで生徒たちにそれを教えようとした。
だが、それがなんだ?
わざわざそれをあの場で告白する必要が、どこにあった?
アーチャーは、自問自答を繰り返す。
洗濯物を手洗いしながら。
(いや、あの発言は必要だ。何故なら、それがルイズのために......まて、そもそもなぜ私は会ってそれほど間もない少女に、そこまで肩入れしている.....?私は、かつての理想を再度追い求め、突き通すことを決めた。だが、だとしても、いや。だからこそ)
はたと気づく。
何故自分は、彼女をそこまで大事に思っている?
いや、それはかつての自分と、かつてのマスターに似ていたから―――――だから、なんだ。
ルイズと彼らは別人だ。
頑張ると約束したから―――――ちがう。それは、己の理想と向き合い、尚且つ自身の救いを得ると、そういうものだったはずだ。
「何なのだ、一体……?これは……?」
――――ズキン。
頭に鈍痛が走る。
今考察したもの全てをまっさらに戻そうと、何かが頭を這いずりまわる。
何だ、これは何だ。
深く、答えを得ようとすればするほど、頭痛は酷くなる。
鈍痛から鋭痛。鋭痛から強痛、激痛へと、それは変わる。
(く、そ……?)
解析、開始
―――魔術回路二十七本確認―――
―――動作可能回路二十七本正常―――
―――魔力量正常―――
―――身体に損傷個所なし―――
―――神経、内臓等も損傷個所なし―――
―――身体機能の異常なし―――
そして、ついに答えに至る。
――――警告 ルー
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