暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/guardian of zero
第四話 誘惑と驚愕 その三
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いながら敢えて発言した。
問題を解決する手段は、一つではない、と。


「……でも、私は魔法がうまくなりたいの!今は出来ないけど、出来るようになりたいの?だから、邪魔しないでよっ!」


が、アーチャーの思いは少女に、届くことはなかった。
彼女の境遇、学校での扱いなどは聞いていた。
重ねる努力に見合わぬ評価。周囲から向けられる呆れにも似たなにか。
そんなルイズの姿に、かつての自分を幻視してしまったアーチャー。だが、だからと言って、この発言は、


(らしくない……本当に、私らしくない…)


いつもの自分なら、こんな発言はしない。
不用意に外敵をつくるような真似はしない。
だがしかし、目の前のこの少女の為と心で思った瞬間、それは実行に移された。
何かにせっつかれるようにだ。
アーチャーが自身の心でそんな疑問に自問自答していると、ルイズがそんな思考を遮るように口を開いた。


「次の講義には、出ないで。いいえ、出るな。これは、主人としての命令よ」


口にされた言葉に一抹の寂しさを感じながらも、それはそれで、彼女らしいのかもしれない。得心はいかないが納得してしまったアーチャーは、


「……了解した」


その命令を了承した。








「さっきの人……」

「何?どうしたの、タバサ?」


授業が終わり、皆が退出し、次の講義に備えて移動していく中、タバサと呼ばれた青い髪と青い瞳を持った小柄な少女は、読んでいた本に栞を挟み、呟いた。
その呟きを「ダーリンったら、なんて理知的なのかしら……!」と悶えていたキュルケが拾った。
この学年では一番タバサの人となりを理解しているキュルケは、純粋に驚いた。何故なら普段無駄口を全くと言っていいほど叩かないタバサが、呟きを漏らした。それも、ある特定の人物についてのだ。
そこまで考えたキュルケは、ある答えを邪推する。


「まさか、タバサも好きになっちゃった?ダーリンのこと」


キュルケの思考回路を回った情報は、そこに一組以上の男女が含まれていれば、自動的に色恋沙汰へと変換される。


「違う……」

「じゃあ何よ?」


自分で考えるのが面倒になったキュルケは、タバサに直接訊いた。


「あの人、少し気になる……」

「それって好きになったってことじゃない?」


悲鳴を上げるようにキュルケはタバサの発言に突っ込んだ。
だが、その反応にタバサはふるふると首を横に振る。


「……違う。そういうのじゃない」

「じゃあ、どこが違うっていうの?何を根拠に、それを否定するの?」


質問に質問を重ねるキュルケを無視し、もはや話すことは何もないとばかり席を立ったタバサ。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ