第四話 誘惑と驚愕 その二
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ズの言葉の矛先が自分に向き、さらにはキュルケには何故か誉めはやされ、状況が余計にややこしくなってしまった。
なお、その諍いは朝食の終りまで続き、弓兵のお腹には何も収まらなかった。
使い魔との触れ合いという名目の休日が終わり、二年生は教室にて、授業を再開させていた。
「皆さん、昨日はたくさん使い魔と触れ合い、絆を深めることが出来ましたか?使い魔とは、一般的に、一生付き合っていくものです。時に友として、時には家族として、皆さんの生活の支えとなってくれるでしょう。皆さんの使い魔たちを見ることが出来て、このシュヴルーズ、とてもうれしく思いますわ」
よく大学のキャンパスで見るような階段状になった講堂の教壇で、紫のローブと、如何にも魔法使いと言わんばかりのとんがり帽子をかぶった、恰幅のいい魔女が、笑みを浮かべながら教鞭を取っていた。
「おやおや、変わった使い魔を召喚したものですね、ミス・ヴァリエール」
使い魔が待機している
シュヴルーズは、今朝着任したばかりで、昨日のアレを知らない。かつ教師陣は生徒の話を戯言と断じ、受け入れなかった。
なので、純粋に彼女は問いかけたのだ。昨日の決闘騒ぎがなければ、教室は笑いで包まれたのだろうが、今現在教室を支配しているのは笑いではなく、静寂だった。
何かしら反応があると思っていたシュバルーズ。不自然な静寂に若干怪訝な顔をしたが、静かにしているなら、それはそれで問題はないと思い、授業を開始した。
「皆さん、私はシュヴルーズ。二つ名は『赤土』。これから一年、皆さんに土系統の魔法を教えていきたいと思います。それでは、まずは一年生のおさらいといきましょうか。魔法の四系統はご存知ですね、ミスタ・マリコルヌ?」
「は、はい!火、水、土、風の四つです!」
突然名指しで当てられ、しどろもどろになりながらも、太っちょの金髪少年、マリコルヌが立ち上がって応えた。
魔法の四系統。アーチャーは、昨日の個人レッスンの内容を復習するかのように、知識を頭から呼び出す。
(魔法の四系統、か。これは魔術で言う五大元素にあたる要素)
最も、魔術の元素には、これに属さない架空元素なるものなどもあったりがしたが、それはほぼ個人の特性ともいうべきものなので、今は除外する。
「そして、皆さんもご存じのとおり、今は失われた系統である虚無を加えた五系統から魔法は成り立っていますね。よろしい。もう着席してもらっても結構ですよ、ミスタ・マリコルヌ」
緊張からか未だに立ったままのマリコルヌに、シュヴルーズは許可を与える形で席に座らせた。
そして、今出てきた系統、「虚無」。
(これは、話を聞く限り、ほぼ魔術の根源、魔法に近いものらしいな)
何
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