幕間 ガンダールヴ
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ガァアン!
「たた、大変です!学院長!」
それは大きなドアの開音と共に現れた闖入者。眼鏡をかけた壮年の魔術講師コルベールによって破られた。
因みにこのとき、既に二人は示し合せたかのように元の位置へ戻っていた。
「大変などはない。すべては小事じゃ」
無駄に威厳たっぷりな態度で応えるオスマン。
因みに、先程の人物と同一人物である。
「これです!」
そう言ってコルベールが見せてきたのは、
「なんじゃ、『始祖ブリミルと使い魔』ではないか。こんな古い本を引っ張り出していないで、たるんだ貴族からもっと学費を徴収するすべを考えたまえ、ミスタ……?」
首をかしげる。
「コルベールです!ですが、今はそんなことは……よくはないですが、とにかくこれらを見てください!」
まくし立てるように言って、オスマンは右手には本の記述を見た。
それだけならば、だからどうした?と訊き返すのだが。
左手に持った、とあるスケッチを見た瞬間、目の色が変わり、雰囲気が一変する。
「ミス・ロングビル。席を外しなさい」
雰囲気が変わったことを察した彼女は、黙って部屋を出る。
それを見送ったオスマンは、再び口を開いた。
「詳しく、説明するんじゃ。ミスタ・コルベール」
「はい。オールド・オスマン。こちらは、昨日の『サモンサーヴァント』で呼び出された一人の男の手に刻まれたものです」
「呼び出された男……あの、契約が完了した途端、全身から刀剣を生やして気を失ったという、アレかの?」
「はい。……剣を抜こうにも、抜けず。壊そうとしても一切魔法が効かない。……ミス・ヴァりエールの爆発以外は……。ですが、取り除いても取り除いても生えてくる刀剣。我々は諦めかけましたが、ミス・ヴァリエールが必死に治療を行い、何とか回復いたしました。……その事にも勿論疑問を持ちました。ですが、時間が足りず、調べ、考えても、答えは出ませんでした。ですが……次の疑問……こちらのスケッチ。この謎だけは、何とか」
神妙な顔で語るコルベール。
そして、次の言葉を口にしようとした、その時だった。
――――ワアアアア!
「なんじゃ?」
オスマンは、普段の学院ではあまり聞き慣れない歓声を庭から聞き取り、『遠見の鏡』と呼ばれるマジックアイテムを使用し、その原因を突き止めた。
そこには、
「なっ!?」
コルベールが声を上げた。
それも仕方のないことだ。何故なら、今さっき話していた人物が、そこでメイジの少年と対峙していたからだ。
そして、声も聞こえてくる。
『あの『青銅』のギーシュが、ルイズの呼び出したハリネズミ男と決闘
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