幕間 ガンダールヴ
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ャーに害を成すような作用はなく、それどころか恩恵、恩恵、リターン、リターンと、良いことずくめしかない。
だが、
(短期的にみれば有益でも、長期に渡ってそれが続くとは限らない)
で、あれば。
「私は、ここについて何も知らない。昨日話した通りだ。……そして、言っていなかったが、私は臆病者でね。不安要素は即刻取り除きたくなってしまう性格でね」
虚を突かれ、しばし硬直するルイズ。だが、言葉を理解したその時から、瞼が半分下がり、じとーとこちらを見つめる。
その瞳は、あれだけの事をしておいて、何を言っているんだ、と悠然と物語っていた。
アーチャーは視線を柳に風とばかりに受け流し、言葉を続ける。
「それに、今日は使い魔と主人がコミュニケーションを取る日なのだろう?であれば、浅学な使い魔が、博学な主人に教えを乞う。至って自然。ともすれば、人間同士だからこそ可能な理知的なコミュニケーションであると、そうは思わないかね?マスター?」
博学な、の部分を強調し、アーチャーはルイズへ提案を猛プッシュした。
「確かに、そうね……。よし、決めた!アンタは今日一日、私がみっちりと言葉を教えてあげるわ!もう許してって言っても、聞かないわよ?」
「お手柔らかに頼む」
そう言って、ルイズは機嫌よさそうにむふー。と息を吐く。
アーチャーは、かの「あかいあくま」と同様に、これからも取扱いには多大な注意が必須だが。
それでも、アーチャーにはルイズの運転の感覚が、少しずつ掴めてきていた。
それは、アーチャーがギーシュと遊んでいた少し前まで遡る。
王立トリステイン魔法学院は、魔法の系統になぞられ、火、水、土、風の四つの分棟と、始祖ブリミルが使用したとされる第五の系統虚無を表した一番背の高い本棟のいつつで構成されている。
その本棟の最上階。
そこに、学院長室がある。
そして今そこには、二人の人物がいた。
内一人は、真っ白な長髪と、それとお揃いの長い口髭を持った老人。学院長、オールド・オスマンは、高級そうなセコイアの机に、頬杖をつき、鼻毛をぶちぶちと抜いていた。
学院長という大層な肩書をもつオスマンだが、何もない日々は、彼にとって退屈であった。まあ、その退屈が平和の証でもあるのだが。
そんなオスマンだったが、おもむろに机の引き出しに入った水煙管を取り出し、至福の時はきたれり、とばかりに口に運ぼうとしたところで、その水煙管は宙へふわふわと逃げてゆき、もう一人の人物――――緑の腰まで届くロングヘアーと、理知的な顔立ちの女性。オスマンの秘書、ミス・ロングビルの手へ収まった。
それを見たオスマンはつまらなそうにつぶやいた。
「年寄りの楽しみを奪うのが、そん
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