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Fate/guardian of zero
第三話 決闘と放蕩 その3
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昼下がり、というには少しばかり早い頃合い、魔法学院の敷地内にあるヴェストリス広場。


「取り敢えず、逃げずに来たことは誉めてやろうじゃないか」

「怖くて怖くて、今にも逃げ出してしまいたいくらいだがね」


怖くて、という割には、かなり余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)な態度である。
そのことが、ギーシュは気に食わず、


「いいだろう。早速決闘を始めてやろうじゃないか。その余裕、どこまで続くか見物じゃないか!」

「ギーシュ、やめて!大体、決闘は禁止されてるじゃない?」

「貴族と貴族の決闘は禁止されているが、貴族と平民の決闘は禁止されているわけじゃない」

「それは、今までそんな事なかったから……?」

「それとも何かい、ルイズ。この平民の事が好きなのかい?」

「そ、そそ、そんなわけないじゃない!ただ、自分の使い魔が怪我をするのを、みすみす見逃せるわけないじゃない!」


顔を真っ赤にするルイズとは正反対に、アーチャーは表情一つ動かさず、ギーシュに語り掛ける。


「貴族殿、質問よろしいかな?」

「何だい?もう、謝っても決闘は取り下げたりはしないからね?」

「別にそれは良いんだが、決闘の内容。ルールを確認しておきたい」

「ルール?そんなの、君が倒れれば、僕の勝ち、それだけじゃないか」


何を言っているんだこいつは、と言わんばかりの呆れ顔だが、アーチャーは意に介さず、問う。


「決闘と言うからには、お互い、怪我をしても、自己責任。これはいいかな?」

「ああ、問題ないよ。君が酷い怪我を負っても、君の責任。万が一、いや億が一僕が傷を負っても、それは僕の責任であると、貴族の名の下に宣言しよう」

「わかった。……最後に、宝具の使用は有りかな?」

「ホウグ?…まあ、大方君の武器といったところだろ?別にいいさ。好きにすればいい」

「貴殿は使わないのか?」

「そんなものなくても、僕には」


言葉を区切ったギーシュは、造花を振る。
すると、造花から本物さながらに花弁が舞い、いつの間にかそこには、青みが掛かった緑色の金属が出現し、みるみる内に姿を変えて女騎士が甲冑を着込んだような形に成形した。


「この魔法がある。……言い忘れていたが、僕はメイジ。二つ名は青銅の。従って君の相手は、僕が魔法で製作した、美しきゴーレム、ワルキューレだ。……よもや文句はないな?」


さぞ相手は恐怖に打ちひしがれているだろうと、ギーシュは相手の顔を見た。
が、


「……本当に、これ(、、)が君の武器……ひいては魔法なのか?」


そこにあったのは、まるでおもちゃのナイフを手にして、得意げになるっている子供を憐れむかのような、そんなアー
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