第三話 決闘と放蕩 その3
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、僕の、ワルキューレが……!」
開始時から全く変わらぬ表情のアーチャー。
それに対比し、まるでフルマラソンを完走したかのような息切れを繰り返すギーシュ。
序盤は、平民が貴族にいたぶられる、喜劇を観賞しようと集まった生徒たちだが、その顔は既に皆、真っ青だ。
何故か?簡単だ。
どこの世界に、まだ幼いながらもメイジを歯牙に掛けず、圧倒する平民など、いるのだろうか?
そして、その驚愕が、更に深まることになる。
「……ふむ」
アーチャーは、顔色一つ変えることなく、自分が砕いたワルキューレの破片から、青銅の剣を拾うかのように見せかけ、
呟いた。
「――――投影、開始」
――――創造理念、鑑定――――
――――基本骨子、想定――――
――――仮定完了。投影、開始――――
瓦礫から、剣を抜き放つかのように偽装し、その手に剣を投影した。
(……宝具ではないが、一応投影は成功した。結界の暴走もない……。――――なんだ!?)
――――警告、ルーン魔術の発動を確認――――
脳内に示される言葉に従い、ルーンを確認する。
そこには、僅かながら光を発する、刻印が認められた。
(何故発動している……?だが、体に変化は……ちょっと待て、何故警戒しているとはいえ、ワルキューレの動きが――――)
――――動きが、遅い。
元々、コントロールが甘く、素手で対処できるスピードだったが、今は、
(何だ……?何故、奴らは、止まっている……?)
そう、ワルキューレが、停止していた。
否、停止しているかのようにみえた。
(違う……私の五感が、騎士王クラスまで、引き上げられている。騎士王クラスまで達した私の五感が、この世界の速度を、上回っている……?)
何故かは、言うまでもない。
アーチャーは、左手甲を、食い入るように見つめる。
(この、ルーンが、私の五感を、引き上げているのか……?)
そして同時に、
(これも十中八九、コイツの恩恵か……ないはずの経験が、私に流れ込んでくる……)
今さっき、魔法で製造されたはずのこの青銅の剣から、凄まじいまでの剣の経験が、あふれてくる。
それも、引き出そうとすれば、幾らでも、だ。
(何なんだ、一体このルーンは?)
左手甲を、更に睨みつける。
だが、答えは出ず、出てくるのは、ルーンからの剣の経験のみ。
(……至急、ルイズに文字を習い、情報を手に入れなければな……まあ、今の段階では身体に害はない。ならば、デモンストレーションといこうか)
出な
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