第三話 決闘と放蕩 その2
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
たさ。だが、一つ奇妙なことがあってね」
「奇妙なこと?何だそれは。言ってみるがいいさ」
「いや、そんなに機転の利く貴族様なら、どうしてあの場を得意の機転で切り抜けられなかったのか、とね」
またもや、ドッと周りが湧き、笑いに包まれる。
更に顔の朱が増したギーシュは、ガタンと椅子から立ち上がる。
「どうやら、貴族への礼を知らないようだね」
「生憎、貴殿のような貴族にはお目にかかったことがないのでね」
「いいだろう。この僕自ら、君に貴族への礼を教えてやる。……ヴェストリ広場で待っているぞ!」
そう吐き捨てると、わくわく様子の周りの友人たちを引き連れ、行ってしまった。
だが、一人は残留していた。どうやら、アーチャーが逃げないように、見張っているつもりらしい。
「アンタ、見てたわよ!何やってるのよ?」
すると、一部始終を見ていたのか、ルイズが肩をいからせ、眉を吊り上げ、こちらににじり寄って来ていた。
「言ったわよね?貴族に逆らうなって」
「何、広場を指定したという事は、地形が変わるような魔法の使用は控える、ということだろう?ならば、やりようは幾らでもある」
「な、何言ってるのよ、アンタ?」
「精神攻撃系の宝具でも使われれば、流石に苦しくなってくるが……」
スケールの違いに、ルイズは毒気を抜かれた。
(ち、地形が変わるほどの魔法を、たった一人で行使できるはずないじゃない……それに、ほ、ホウグって何?話からして、何かのマジックアイテムっぽいけど……あと、精神攻撃系の魔法は禁忌指定のはずよ…それを、まるであって然るべき、とでも言いたげに……)
実は自分は、とんでもないやつを召喚してしまったのではないかと、ルイズは戦慄した。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ