第三話 決闘と放蕩 その1
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を取るの」
「なるほど」
そう、今庭には、召喚したばかりの使い魔たちと楽しげに、そして誇らしげに語らい、語らい合う学生たちの姿があった。
そんな時、
「あら〜、誰かと思えば、ゼロのルイズとその使い魔のハリネズミ男じゃない」
「キュルケ……」
赤い髪と、小麦色の肌を持った少女、キュルケが、その赤い髪を燻る炎のように揺らしながら、こちらに近寄ってきていた。
そして、その足元には、幼体とはいえ、見事な鱗と、尾に優雅に火をともすサラマンダーの使い魔、フレイムがちろちろ舌を出し入れし、こちらを伺って来ていた。
「何しにきたのよ、キュルケ!」
「何って、今日は使い魔のお披露目と、その使い魔とのコミュニケーションを取る日でしょう?だったら、ゼロのルイズが召喚した直後、ハリネズミみたいに体から剣を生やしたっていう使い魔を、見物しに来ても別におかしくないでしょう?」
ルイズは、まるで親の仇とばかりにキュルケを睨み、ねめつけ、威嚇する。
だが、アーチャーは二人の雰囲気などにどうでもいいとばかりに、空気を読まずに質問を飛ばす。
「ルイズ、あれはなんだ?」
「あら、サラマンダーを見るのは初めて?って、よく見ると案外イイ男ね。ルイズの使い魔なんてやめて、私に仕えない?」
「大変魅力的な提案ではあるが、昨日の晩。丁度契約を正式済ませてしまってね。……なるほど、それはサラマンダーというのか」
男なら目の色を変えて飛びつくであろう誘惑だが、アーチャーは全く意に介さず、というか、そんな事よりも、サラマンダーのフレイムに興味津々な様子だ。
これにはキュルケもキョトンとしたが、思い出したかのように口を開いた。
「ルイズ、そういえばこの平民、近寄って大丈夫なの?昨日みたいに体中から剣を生やしたりしないの?」
「ああ、残念ながら、普段から身体に剣を生やすような高尚な趣味は持ち合わせていないのでな。昨日のあれは、特別というやつさ」
「そう、なら安心して寝室に呼べるわね」
ちろり、と唇を舐め、妖艶な体をくねらせるキュルケ。
ああ、そうだな。機会があったら赴こう、と適当にあしらうアーチャー。
中々自分のものにならないアーチャーに、キュルケがさらなるモーションをかけようとしたその時、ルイズがキュルケの前に立ちふさがり、髪を逆立て激昂する。
「キュルケ!あんた、人の使い魔を略奪する気!?」
「やーね、冗談よ。……けどルイズ。アンタ、よくこんな色男を街で見つけられたわね」
「なんの話よ?」
「とぼけなくてもいいのよ」
キュルケは一転、嘲るような目をルイズ向け、嘲笑交じりに語りだした。
「だって、その使い魔って大方、あなたが
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