第三話 決闘と放蕩 その1
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う根源の理とは無関係であるようだ)を行使する者たちを指す。
そして、今現在自身がいる場所は、貴族の子供たちが優秀なメイジとなるための養成校であるということ。
(なるほど、こちらの生活基盤は魔術―――いや、魔法であり、その他の中世レベルの技術が魔法を補っている、といったところか)
「わかった?」
「ああ、了解した」
「だから、あんたから魔力は感じられないし、多分野良の傭兵か何かだと思うけど…魔法は使えないんでしょ?」
「ああ、魔法なんてものは、生まれてこのかた行使したことなどはない」
確認するようにルイズは言う。
そして、僅かな希望を打ち砕かれた、とばかりに失意を表情と言葉ににじませ、アーチャーに忠告した。
「じゃあ、あんたはここの貴族たちに決して逆らっちゃだめよ?」
「それは、聞くまでもないが、社会的に拙いからか?」
「勿論それもそうだけど、前提として平民が貴族に勝てるわけないじゃない。だから、逆らったら最悪殺されるわ」
さも当然、とばかりに口にするルイズだが、アーチャーは心の中で貴族という存在に、落胆していた。
(……私基準で言えば、魔術とはただの道具だ。ならば、欠点もある。だから、前提としてそれを考えるのは間違いではないのだろうか……?)
まあ、それは魔法とやらの規模と威力によっては、であるが。
この場では、素直にうなずいておくのが得策だろう。そう考えたアーチャーは、
「了解した。時間を取らせて悪かったな。これで以上だ」
「そう、それじゃあ、あれ、あの時計。……時計ってわかる?」
「ああ、知ってはいるがアレは読めんな」
座っていたカフェテーブルの向かい側の壁に掛けられたそれは、自身の知っている時計とよく似ていたが、文字盤が読めない。
「あっそう。解ったわ。じゃあ、あの時計の針があそこに来たら起こして頂戴」
それだけ言うと、着ていた制服と下着を次々と脱ぎ捨て、こちらに放る。
「洗っといて」
突き放すように言うと、自身の髪と同じピンク色のネグリジェをかぶるようにして身に纏い、先程までアーチャーが寝ていたベッドに潜り込むと、すぐにすやすやと寝息をを立て始める。
(使い魔というよりは、やはり召使いと言う方が正しい扱いだな……まあ、それならばそれで、やりようはある)
そして、寝床が無くなった自身はどこで寝ようか、と考えているとベッドの近くに藁がまとめて山のようになっていることから、
「まあ、屋根があるだけましというものか」
そう呟くと、藁の上に腰を据え、瞼を閉じた。
「ルイズ、朝だ」
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