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Fate/guardian of zero
第二話 二つの月と、二度目の契約
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調、開始《トレース・オン》」


彼が最も得意とし、それら以外は何もできないと断じる魔術を、行使した。


――――基本骨子、解明――――


――――構成材質、解明――――


――――損傷個所、基本骨子の変更と共に補修―――


――――基本材質、補強――――



そして、一通りの工程が終わり、アーチャーは小さく息を吐いた。
ベッドを確認するが、見た目も問題なく、軽くたたいて中身も確認するが、特に違和感は感じなかった。
まあ、この段階でこのベッドは補強により、九mm拳銃弾程度では傷一つ付くことのない無駄防弾仕様へと変貌はしていたが。


(どうやら、魔術の行使、正しくは強化に関してではあるが。……今のところは問題がない)


満足のゆく結果と、その過程を踏めたことに安堵しつつ、ベッドの近くにある小さなカフェテーブルに突っ伏して眠る少女に再び意識を向ける。


(……理想と現実の差異、か……)


かつての自身によく似た、この少女の安らかな寝顔を観察しつつ、体を起こした。
むくりと、上半身を起こし、物音をたてぬように、カーテンで遮られた窓に向かい、歩みだした。
すると、


「…んきゅ…あ、ふあぁあぁあ〜〜〜……」


音は立てていないが、アーチャーが起き上った事に反応するかのように、少女は伸びをしつつ、眠気を含んだ息を吐き出した。
そして、それが収まると、窓際に立ったアーチャーに吸い寄せられるかのように瞳が揺れ、視界に彼の姿を収めた。
瞬間、


「…アンタ、起きたりして大丈夫なの!?ちょっと、ま――」


寝ぼけ眼を大きく見開き、アーチャーの下へ詰め寄った。
だが、詰め寄ろうとした矢先に、カフェテーブルの脚に足を取られ、はぎゅ!と、世にも奇妙な呻きを上げ顔面から床へとダイブする。
アーチャーはしばしキョトンとその少女を見ていたが、やがてある少女の事を思い出し、顔に哀愁と慈愛に満ちた微笑みを浮かべると、盛大にずっこけた少女の下に歩み寄る。
間接的にではあるが、この少女との口づけにより固有結界が暴走し、自身が傷を負ったことなど、彼には過去の事であり、目の前の少女が危害を加えてくる存在だなどという思考は、何故か否定される。
そこに、いつものロジカルな理由などはなかった。
今までのアーチャーならば、こんなことはしなかった。
だが、彼はかの「あかいあくま」に宣言してしまったのだ。


――――俺もこれから、頑張っていくから…


と。


なればこそ、アーチャーは歩み寄った少女の前で膝をつき、手を差し伸べた。


「大丈夫か?怪我などはないな?」

「へ?……ああ、うん。その、大丈夫、だけど……って、そうじゃないわよ!あんた
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