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Fate/guardian of zero
第一話 ゼロの守護者
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、己の唇が接触し、殺しきれなかった衝撃で、前歯と前歯がぶつかり、ガチンと音が鳴る。
そして、契約が完了する。















魔法陣に身体が呑まれ、体中をまさぐられるような不快感の後、アーチャーは覚醒した。
自身が地面に伏していることを認めると、腹筋と背筋を伸縮させ、飛び起きる。
すると、


(何なんだ、ここは)


周囲を見渡すと、中世の砦にあるような石造りの塀に囲まれ、ふと視線を逸らすと、これまた中世の物語から抜き出したかのよう荘厳な雰囲気を醸し出す城、というより塔に近しい建造物が自身の目の前にそそり立っていた。


(少なくとも、日本ではないな)


聖杯戦争の後、座に呼び戻され、次の戦地へ向かうその途中に、体中に刺青を刺した珍妙な男に嵌められ、魔法陣に呑まれた。
そして、召喚された場所は、少なくとも日本ではない。
自身に与えられた情報を加味し、そして周りを観察する。
そこには、黒いスカートか黒いズボン。そして真っ白なワイシャツの上に黒い外套を羽織った、年端もいかない少年少女たちの姿が。
それだけならば、自身が過去に飛ばされ、この目の前の少年少女たちが霊長の種に対し、何か不都合な行動を起こそうとしており、世界が反応した、と簡単な構図が出来上がるのだが。


(どういう、ことだ。俺自身への世界の干渉が消えている……?)


そう、いつもならばある程度の自由は確立されているものの、最後の一線とばかりに、その場でやるべき指令が常に頭に刻まれ続ける。
それが守護者という己の存在の定義である。
しかし現状はどうだ。
いつもなら五月蠅(うるさ)いぐらいに自身に執行を命じる世界の声なき声は聞こえてこない。
そしてもっとも彼を驚かせたのは、


(何なんだ、あれらは……?)


目の前に広がる怪物たちのパレード。
かの聖杯戦争でも、ここまでのラインナップは存在しなかった。
目玉に羽の生えた何か。ピンク色で毛むくじゃらな何か。そして、口から火を噴く蜥蜴。
たまに見知った鳥類や、モグラなどのありふれた動物も見かけたが、それを従えるのは、いづれも年端もゆかぬ少年少女たち。
そう、目の前のピンク色の髪を持った、小柄な少女を除いて。


(攻撃を未だ仕掛けてこない、という事は、今は警戒されているだけなのか、それとも、私なぞ、いつでもどうとでもできるという自信の表れなのか……だめだ。情報が少なすぎる)


そうアーチャーが思考を巡らせていると、目の前の少女が、何やら小さな杖らしきものを頭上高くに掲げ、ぶつぶつと何かを唱えている。


(来るか―――解析、開始(トレース・オン)


アーチャーが身構え、自身に解析を実行する。

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