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東方大冒録
VS永遠亭その1。 〜突入〜
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「ま、まさか……!!」

そして慧音を置いて大急ぎで寺のなかに戻っていった。

「お、おい零!? どうしたんだ!?」

慧音も慌てて暗基の後を追った。




























(あいつら……、なにをカッコつけようとしてるんだよ、まったくよぉ!!)

ドタバタと廊下の音を立てながら、暗基は輝夜たちのいた部屋にたどり着いた。

「どうか、おれが思っていることの通りにはなりませんように! そらっ!」

暗基は部屋のふすまを勢いよく開けた。すると、暗基が思っていたとおり、部屋の中はもぬけの殻だった。ご丁寧に布団もたたまれて、隅のほうにまとめておかれている。

「そうか……。やっぱりだったか……」

暗基は頭を抱えた。いったい何を思って3人だけで今の永遠亭に向かうという意味不明なことをしなければならなかったのか、暗基にはまったく理解することができなかった。
ふと暗基が床を見てみると、畳の上に一枚の紙が置かれていた。

「ん、なんだこれ、置手紙か?」
「零! どうし……、な、なんだこれは!!?」

置手紙を読もうとしたと同時に、慧音もこの部屋に入ってきた。とりあえず説明をする。

「予想通りだったよ。まぁ、見ればわかるだろうが、さっきの3人は輝夜たちだ」
「あいつら……! 3人だけでなんとかなるものじゃないだろう!!」
「同感だ。今見つけたんだけど、これ読んでみるか?」
「なんだ? 置手紙か?」
「そうみたいだ」

暗基が返事をすると同時に慧音は暗基から手紙をひったくり、流し読みをした。暗基は流し読みをしている慧音を黙ってみていたが、だんだんと怒りから慧音の顔が真っ赤になっていくのがはっきりわかった。

「……、そうか。あいつらは今更になって私たちを信用できないと、そう言いたいのか。そうか……!!」
「おれにも見せてくれよ」

慧音は無言で暗基に手紙を渡した。暗基も手紙を慧音ほどの速さではないが、流し読みをした。手紙には、このように書かれていた。

「皆様へ。勝手なことを言って申し訳ありませんが、3人で永遠亭に行ってきます。自分たちの問題は、自分たちで解決します。鈴仙・優曇華院・イナバ」

ざっくりというと、自分たちだけでやるからアンタたちは首を突っ込まないでくれ、という内容だった。これには暗基も怒りを通り越して、あきれてしまった。

「ははっ、そうかい、この内容なら、慧音もさすがにブチ切れたくなるな」

思わずつぶやいてしまった。少なからず自分たちでどうにもできないと判断したからこの命蓮寺に来たのではないのか。違うのだとすれば輝夜たちにマガイモノを倒す算段の一つでもあるのか。


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