暁 〜小説投稿サイト〜
洗髪屋
1部分:第一章
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やろうか?」
「いいの?」
「俺もコペンハーゲンまで行く途中だしな」
 笑顔でエリザに話すのだった。屈託のない笑顔で。
「それだとな。ただしな」
「ただし?」
「その髪の毛を洗わせてくれ」
 いつもの頼みをだ。エリザにもしたのである。
「それをさせてくれたら乗せてもいいぜ」
「あら、髪の毛をなの」
「シャンプーな。それをさせてくれないか?」
「そんなのでいいの?」
 エリザは思わず笑ってだ。マリオに問い返したのだった。
「それじゃあ私が一方的に得するじゃない。コペンハーゲンまで連れて行ってもらってしかもシャンプーで髪の毛を奇麗にしてくれるなんて」
「悪い条件じゃないだろ」
「それどころか最高よ」
 エリザも笑顔で応える。こうしてだった。
 二人は一旦マリオの部屋に行き髪を洗った。だがここでだ。
 マリオは二度、三度と髪を洗うのだ。その彼にだ。
 エリザは異変を感じだ。こう彼に言った。エリザは散髪屋にある椅子、あの頭を洗う為の椅子に座りそうして散髪屋にあるものそのままの洗髪用シャワーで頭を洗われていた。その中でだ。
「ちょっと、もういいわよ」
「いや、この髪は奇麗だから」
「だから。もう洗ってもらったから」
「いや、まだだ」
 マリオは何かに取り憑かれた様な声で返してきた。
「まだ洗うから」
「じゃあリンスを」
「いや、リンスじゃ駄目だ」
 こう言ってだ。シャンプーでエリザの見事な髪を何度も何度も洗うのだ。そしてだ。
 彼女が席から立とうとする。マリオの異常さに気付き逃げようとしてだ。しかしその彼女に対して。
 マリオはロープと猿轡で動けないようにして黙らせてだ。それから再びだった。
 髪を荒い続ける。そのうちにシャンプーが全てなくなり石鹸になりリンス、とにかく全て使ってしまった。それで諦めるかというと。
 今度は蜂蜜やオリーブオイルやドレッシングだった。調味料まで使いだしたのだ。ぬるぬるとした感じの液体なら何でもだった。

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