Fate/stay night
1119話
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俺の口から意識を取り戻していると指摘された美綴は、目を見開いたまま後退ってベッドから落ちようとして……
「駄目! 綾子、ベッドから下りたら貴方死ぬわよ!」
先程のキスで潤んだ瞳をしていた凛が一瞬で我に返り、咄嗟に叫んだ事でその動きを止める。
「あ、あたしが……死ぬ? いや、それ以前にやっぱりお前達はそういう関係だったのか? でも、幾ら何でもあたしが寝ている横で事に及ぶとか、露出趣味にしても程があるだろ? そ、それとももしかしてあたしにも何か……いや、服を着てるし、それはないか。大体何で私はこんな場所に……ここはどこだ? え? あたしは確か……」
話しているうちに、ようやく気絶する前の記憶を思い出したのだろう。次第に顔が青くなっていく美綴。
いやまぁ、確かに意識が戻ったら自分が見覚えのない部屋のベッドに横になっていて、更には隣で俺と凛が裸で抱き合って深いキスをしていたんだ。
何で自分がこんな場所にいるかよりも、そっちの方に意識を向けてしまうのはしょうがない。
「……で、凛。どうやって説明するんだ?」
「いいから、あんたはその凶悪な代物を隠しておきなさい!」
顔を赤くした凛が、俺の方へと毛布を投げつけてくる。
美綴が俺から視線を逸らしているけど、チラチラとこっちを見ているのは丸分かりなんだが。
取りあえずという事で、凛は床に落ちていたバスタオルで身体を隠しながら……というか、色々な液体で汚れている身体を拭きながら口を開く。
本来であれば恥ずかしがってもおかしくないんだろうけど、今は完璧に魔術師モードになっているせいか、恥ずかしさは殆ど感じていないらしい。
……というか、俺に抱かれた時の事を考えれば、こんなのはどうでもいいって事なのかもしれないが。
「綾子、あんたが気絶する前に何があったか覚えてる?」
「え? あー、うん? ……ああ、覚えている」
凛がバスタオルで身体を拭くのを、顔を真っ赤にして視線を逸らしていた美綴だったが、すぐに気絶する前の事を先程よりも明確に思い出したのだろう。まだ薄らと頬が赤いが、それでもすぐに真面目な表情で頷く。
「確か、慎二と眼帯をした女に襲われて、そこでアークが助けに来てくれて……その女の武器でアークが怪我をして……駄目だ、そこからは何も覚えていない」
「でしょうね。アークの……アークエネミーの血を1滴ですら飲んだんだもの。正直、よく生きてたって言いたいくらいよ」
「……血を、飲んだ? いや、その前にアークエネミーって何だ?」
「綾子、あんたは巻き込まれたのよ。聖杯を求めて魔術師達が殺し合う、聖杯戦争にね」
凛の口から出た言葉は、間違いなく真実を述べていた。
だが全くの一般人だった美綴がそれを理解出来る筈もなく、思わず問い返す
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