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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第488話】
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ない簪だが、未来はふわりと笑みを浮かべると。


「うん、皆で戦えば大丈夫だよ。 ……怖いのは皆一緒だよ、私も死ぬのは怖い――でも、皆が居るから、ヒルトが居るから――」


 言葉を遮るように、紅い機体は強襲を仕掛けてくる。

 明らかにさっきまでとは違う攻撃頻度であり、破壊された黒い襲撃者の無数のシールドビットのコントロールを得て間断なく攻撃を続けてきた。


「チィッ……明らかに殺る気満々だな……」


 ヒルトは一人ごちる、脚部からワイヤーが伸びるとそれが周囲のシールドビットを弾いた――先端にはラウラの機体同様のブレードが備わっているのだが、刃は粒子で覆われていて威力が増していた。


「うん、特に私とヒルト相手にはって感じ」


 一方の未来も、両手にアサルトライフルを構え、的確にシールドビットを落としていく。


「私だって……負け、ないっ!」


 打鉄・弐式に迫り来る無数のシールドビット、それを自身の機体に備わったミサイルで迎撃していった。

 マニュアル操作によるミサイル迎撃、負担は大きいものの不思議と今の簪なら出来ると。

 ミサイルは多角的軌道を描くシールドビット一基一基に直撃、空中で連続して爆発音が鳴り響いた。

「このまま……っ!!」

『――――――』


 何発か抜け出たミサイル群、推進部分のみを切り捨てる紅い機体――有効打にはならず、ミサイルは地表で爆発した。


「ったく……しつこいやつだよ」


 射出されたワイヤーブレード四基全てを巧みに扱い、無数にあったシールドビットを一刀両断して落としていくヒルト。

「でも、アイツが隊長機ならこれで終わりだよ、もう増援も降りてこないもん」


 未来はそう言う、散発的に来ていた襲撃者も途中から降りてこなかった。

 学園上空には黒夜叉と飛行するフライヤーユニット一機が其処にいた。

 終わりが近い――そう思えば、疲労も無くなっていくのを感じた。

 そんな一瞬、一夏達の足止めをしていたシールドビットの一部が簪へと向かっていく。

 ミサイルのマニュアル操作に集中していた簪の隙を突くように迫る。


「…………!?」


 ヒルトや未来が気づいた頃には、迫り来るシールドビットに間に合わない状態だった。

 直撃――したかに思えたその時、重傷の身を押して、意識が戻った楯無がシールドビットを一閃。


「……っ、さ、流石にキツい……わね……」

「お姉ちゃんっ……!」


 体勢を崩した楯無を、簪は支える。

 血の気が引いた青い表情の楯無に、ヒルトは言葉を口にする。


「……無理はしないでください、こんなことで死んだら……つまらないで
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