精神の奥底
50 Dark Side Of The City 〜前編〜
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に適合率はヒットした子供たちの平均値よりも高く、あらゆる要素を考慮すれば、資質としては高い部類に入っていた。
その時、祐一朗の背筋に悪寒が走り、気づけば検索結果を改竄していたのだ。
「…何故今になって」
それによって、誰が検索してもスターダストに適合する人間はいないと認識され、結果としてプロジェクトは祐一朗の目論見通りにプロジェクトは凍結された。
「……」
しかしそれが今になって再び動き出した。
それもシステムに苦しめられているとは到底思えない動きを披露している。
これは事件の前からシステムを使い続けて、システムからの肉体改造に耐え抜いたか、適合率が高く最初からシステムが求める要件に近い肉体を持っていたか、もしくは痛みを感じていないかのどれかだ。
どれをとっても、普通の人間の所業ではないとしか言えない。
それに肉体への負荷の問題だけではない。
スターダストのシステムが装着者の資質や能力を増幅するという都合上、電波変換ができる者なら誰であっても一定の力を引き出すことは可能だが、それ以上の性能を引き出すのは容易なことではない。
既に祐一朗の理解を越えた者が現れ、スターダストの力が渡ったのだ。
「…私の踏み入れられる領域ではなくなっている…」
『パパ…』
理解を越えた不明瞭なものに突き当たった時、祐一朗は一度立ち止まるようにしていた。
どう足掻いても分からないものは、考えても仕方がない。
それは何か手がかりか鍵になるものが見つかるまで、手をつけるなという合図だと捉えていてきたのだ。
「今の私にできるのは、熱斗を救うための努力をすることだけだ。ロックマン、詳しいことは私自身、考えがまとまっていないからあえて話さない。だが熱斗を…お前の弟を救うために全力は尽くす」
『うん、パパ。今は熱斗くんが最優先だ。でもどうしたら?』
「あの隊員の言う通り、WAXAと対等に交渉できる相手とコンタクトを取る必要がある『彼』に頼んでみよう」
『え、まさか…』
祐一朗はiPhoneを取り出し、腕時計で時間を確認する。
CITIZEN・アテッサ エコドライブ ダブルダイレクトフライト、定期的な電池交換の必要無いエコドライブ機構、そしてダイレクトフライト機能により世界26のタイムゾーンの時間に切り替えられる他、もう1つのタイムゾーンを表示できる高性能ムーブメントが軽量なチタンケースに収められた時計だ。
祐一朗のような仕事をしていると海外に電話を掛けることも多い。
その際に時差の影響で深夜や早朝に電話を鳴らしてしまうというのは、かなり失礼な行為だ。
しかし祐一朗はこの時計のおかげで今まで一度もその手のミスをやらかしたことは無かった。
「アメロッパは昼か…問題無いな」
時間の問題が無いことを確認すると、
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