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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
50 Dark Side Of The City 〜前編〜
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「…どうやら私は熱斗をとんでもない事件に関わらせてしまったらしい」
『僕も今までこんな事件、見たこと無いよ…W.W.W(ワールドスリー)、ゴスペル、ネビュラ…今までのサイバーテロの比じゃない』

自宅へ戻った祐一朗は妻のはるかに熱斗は出かけた先で電車が運転を見合わせて帰れなくなったと嘘をつくと、部屋にこもってロックマンと熱斗が手に入れた映像データを見ていた。
映像は先程の学校での防犯カメラ映像、灰色の武装を施した何者かが銃火器を携帯した群れを相手に戦う姿だった。
数では圧倒されながらも、僅か数秒で襲ってきた者たちを倒してしまうその圧倒的な戦力は祐一朗が再生した瞬間に思いついた仮説を裏付ける。

「これは…スターダスト」
『スターダスト?』
「……」
『パパ、スターダストって?』
「……」
『パパ?』

祐一朗はMac Proに接続されたThunderbolt Displayを通してこちらを見るロックマンの呼びかけ
にも応じず、黙りこんでしまった。
祐一朗は自身の予想が当たっていたのは間違いないとしても、状況が全く飲み込めなかった。
スターダストは本来、現れるはずないものだからだ。
祐一朗はこのスターダストの開発に主にソフトウェアの面で一部関わっていた。
だからこそ知っていた、スターダストに順応できる人間は普通の人間ではないということを。

「……」

相当な危険が伴うのだ。
もちろんある一定の資質さえあれば、電波変換することも使うことも可能だった。
しかしシステムが装着者を自身を扱うのに適した状態に無理やり作り変えようとする。
それが肉体に相当な負荷を掛けてしまい、資質が低ければ使用者の命を危険にさらしてしまうのだ。
それを知った当時の祐一朗はこのシステムはもっと成熟するまで、世に出てはならないものだと悟った。
使用者の命を掛けるシステムなど馬鹿げている、本当の意味で『人の物』とは呼べない。
祐一朗はデータベースを使って現段階での適合者を検索した。
もし適合者がいれば、その人間がモルモットになってしまうと恐れたからだ。

「…まさか、バレたのか?」
『バレた?』
「いやっ…なんでもない」

結果、数百人単位で資質が一定値を越えた人間がヒットした。
しかし、どれもギリギリで『電波変換が可能な程度』の者が大半で、皆0歳から10歳程度の子供たちばかりだった。
祐一朗はそれに危機を覚えた。
当然、スターダストが完成すれば、制作チームは適合者を使って実戦試験を行うはずだ。
だがそうなれば、この子供たちの誰かの人生、そして命を危険にさらしてしまう。

「……」

そして何より自分の息子が危険にさらされるのを恐れた。
熱斗もこの検索結果にヒットした1人だったのだ。
それも皮肉なこと
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