第1章:平穏にさよなら
第10話「学校にて」
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..えっと...その...!」
「アリサちゃん...。」
真っ赤な顔で、必死に弁解しよう言葉を巡らせようとするバニングスさんを、月村さんは苦笑いで見ていた。
「あはは...いいよ。バニングスさんもお兄ちゃんを兄として見るの。」
「べ、別にそうじゃないって言ってるでしょ!」
緋雪も苦笑いしながらそう言う。...って、別にいいんだ。僕も別にいいけどさ。
「あ、でも、お兄ちゃんはそう簡単に渡さないよ?」
「それ、アリサちゃんにも言うの!?」
緋雪は何を言ってるんだ...。ってか、“にも”って事は司さんも言われたのか?
「えっ、あっ...。〜〜〜〜っ!!?<ボンッ!>」
顔を真っ赤にして撃沈してしまうバニングスさん。...そこまで恥ずかしかったのか...。
「弄るのもそこまでにしてあげなよー。さすがに可哀想だ。」
「はーい。」
弄ってた自覚はあったのか。...なおタチ悪いな。
「.......。」
「...どうしたの?司さん。」
あまり喋らなかった司さんは、僕らの様子を見てニコニコしていた。
「あっ、なんかね、優しい雰囲気な空間だなぁ...って、思ってたって言うか...。」
「...まぁ、こういう雰囲気はいいよね。」
複数人で一緒に会話を弾ませながら食事をする。...今まで僕と緋雪だけじゃ成し得なかった事だからね。僕も結構楽しんでたりする。
「でしょでしょ!」
「う、うん。...なんか、司さんいつもの態度と少し違うような...。」
「あ、ゴメン...。初めて同年代の男友達ができたから、嬉しくって...。」
あー、そういえば司さんは男友達はいなかったね。皆、司さんを“聖女”とか呼んで祀り上げてるって感じだったから。
「...と、ところで!緋雪ちゃん、昨日は羽が仕舞えなかったけど、今はないって事は仕舞えるようになったの?」
さすがに気恥ずかしくなったのか、話題を切り替える司さん。そして緋雪の羽の事が少しきになるみたいだ。
「あー...実は、まだ仕舞えてないんだ。」
「えっ?そうなの?でも、見えないけど...。...って、あ。」
司さんは魔法が使えるからカラクリに気付いたみたいだ。
「あはは...。実は、シャル...私のデバイスが認識阻害を掛けてるんです。瞳の色も同じで、吸血鬼としての大きすぎる力はリミッターを掛けてます。」
「...気を抜いていたからか、気づいていなかったよ。」
シャルラッハロート曰く、緋雪の魔力を使って自分だけで魔法を行使しているとか言ってたけど、そんなに隠蔽度が高かったのか?
「...それじゃあ、緋
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